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磨き上げた完成度 フィギュア坂本花織 “大技なし”で銅

2022年2月18日 23:21
磨き上げた完成度 フィギュア坂本花織 “大技なし”で銅

北京五輪女子シングルで日本女子としては浅田真央さん以来12年ぶりのメダルを獲得した坂本花織選手。今は4回転ジャンプを5本も組み込む選手もいる“高難度時代”。銅メダルに輝いた坂本選手が練習で高めてきたのは、「難易度」ではなく「完成度」でした。

■“異例”の大会でまたも自己ベスト更新

ドーピング問題で異様な雰囲気のなか行われた北京五輪フィギュアスケートの女子シングル。17日のフリーで坂本選手は冒頭のダブルアクセルから持ち味のスピードを生かした演技を披露します。得点源のトリプルフリップ・トリプルトウループでは高い出来栄え点を獲得。続く3連続のジャンプも決めるなど、全ての要素で加点が付く演技となりました。

先日のショートプログラムに続き、フリーでも自己ベストを更新。大舞台で見せた完成度の高い演技で銅メダルを獲得。日本女子フィギュアのメダルとしては浅田真央さん以来12年ぶりとなりました。

フリー後、跳びはねながらインタビューゾーンにあらわれた坂本選手。日本テレビ北京五輪メインキャスターの荒川静香さんが声をかけると「荒川さんと同じや!オリンピックでメダル!」と喜びをあらわにしました。実は坂本選手が初めて見た五輪が、荒川さんが金メダルを獲得したトリノ五輪でした。

ただ、坂本選手がメダルを獲得するまでには、厳しい練習がありました。それが垣間見えたのがフリーの演技直後。指導する中野園子コーチとのやりとりでした。

中野コーチ
「もう一回やらせてもらう?」

坂本選手
「やりたいかな笑」

坂本選手はフリー翌日のインタビューで次のように話しています。

「ノーミスしたい気持ちが強かったのか、フリーはスピードをセーブしてしまっていた。それに気づいた中野先生が『もう一回やらせてもらう?』と。どこまでも厳しい先生です」。

そんな“厳しい先生”こと中野コーチは坂本選手をねぎらっていました。

中野コーチ
「よく戦いました。頑張ってついてきてくれたと思います。やっぱりコツコツやるというのは大事なんだなと思いました。一生懸命練習してきました」

■坂本と同い年の樋口新葉 フリーでもトリプルアクセル成功

坂本選手の銅メダルを抱き合って喜んだのが同い年の21歳・樋口新葉選手です。その樋口選手も北京で躍動しました。

ショートで成功した大技のトリプルアクセル。フリーでも挑み、きれいに着氷させました。ショートとフリーでトリプルアクセルを成功させたのは、出場した選手で唯一人。五輪初出場ながら総合5位(暫定)に入りました。

樋口選手
「アクセル2本、オリンピックでできたのはすごくうれしかった。また来たいなと思ったので、またがんばります」

■金銀は圧巻の演技をしたROC勢、一方、ワリエワ選手は演技後に涙

金メダルを獲得したのはROC(ロシアオリンピック委員会)の17歳、世界女王のアンナ・シェルバコワ選手。高難度の4回転フリップを2本成功させるなど圧巻の演技を見せました。

銀メダルは同じくROCの17歳、アレクサンドラ・トゥルソワ選手。女子の4回転時代をリードしてきたトゥルソワ選手は、今大会で組み込んだ4回転ジャンプは実に5本。男子のトップ選手並みの高難度構成で自己ベストを更新しました。

その一方で、ドーピング問題に揺れたROCの15歳、カミラ・ワリエワ選手はジャンプでミスが続き総合4位(暫定)になりました。

■高難度時代に完成度で勝負した坂本選手

坂本選手は銅メダル獲得後、カメラの前でこう話しています。

坂本選手
「“大技がない”というのはすごくハンデだし、その中でどう戦っていくかを考えた時に、プログラムの一つ一つを丁寧にやることと、エレメンツ(技の一つ一つの要素)の完璧さが求められると思う。それをどの試合でもやり通すのはすごく難しいことで、練習からやっていないと本番では必ずできないし、練習以上のものは試合出でないと思っているので、練習でどんなに苦しくても、試合で笑顔になれるならやるしかないと思ってこの4年間やってきた。なかなかできなかった年もあって正直落ち込んだ時期もあったんですけど、そういう経験も経て、ここまで上がってこれたのはすごく自信になったし、諦めないで頑張ってきてよかったなとすごく思います」

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