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《独自》フィギュアスケート宇野昌磨 “どん底から復活へ” 大きな影響を与えた2人の存在語る

2022年1月26日 6:00
《独自》フィギュアスケート宇野昌磨 “どん底から復活へ” 大きな影響を与えた2人の存在語る
日本テレビの独占インタビューに 答える宇野昌磨選手

2月に開幕する北京五輪代表に内定したフィギュアスケートの宇野昌磨選手(24)。平昌五輪後、苦しみもがいた日々から復活するために大きな影響を与えてくれた2人の存在を日本テレビの独自インタビューで明かしました。

宇野選手は4年前の平昌五輪で五輪初出場を果たし、当時20歳で銀メダルを獲得。金メダルに輝いた羽生結弦選手との“日本人で金・銀独占”は史上初の快挙となりました。

しかし、平昌五輪の翌年に行われた世界選手権で表彰台を逃すと宇野選手はそこから調子を落としてしまいます。

「1つの試合でミスをしてしまって『初めてスケートから離れるべき』と1度考えたことがあった」と語った2019年のグランプリシリーズ・フランス大会。ショートプログラムで転倒を連発。切り替えて臨んだフリープログラムでも7回中5回のジャンプでミスをし、シニアになってから最低順位となる8位となりました。

それでも宇野選手は、「たくさんミスをした時にお客さんが温かい拍手をくださって自分で勝手にミスをしていてはいけないと自分を追い込んでいた」と当時の心境を明かし、「自分が勝手に作り上げた自分へのプレッシャーと気づかされて。もしあのまま成功していたら、自分の姿勢は変わっていなかった。やっとスケートが再び動き始めて、歩み始めることができた」とファンの存在が大きかったと語りました。

どん底から、少しずつ開き直り始めた宇野選手に大きな影響を与えてくれた人物が2人いました。

1人目が、“世界一”と称されたスピンを武器に世界選手権を連覇し、トリノ五輪で銀メダルに輝いたレジェンドで2020年から宇野選手のコーチとなったステファン・ランビエールさん。

宇野選手はアイスショーなどで接点があり、自らコーチの依頼をしました。「あまりにもスケートに対して気持ちでマイナスの部分が大きかった。残りのスケート人生楽しんで終えたい。ステファンコーチの下なら、スケートが楽しいって笑顔で終えられる」と話しました。

“勝つため”ではなく、“スケート人生を楽しんで終えるため”。これが宇野選手がステファンさんをコーチに依頼した当初の理由でした。

しかし、ステファンコーチが振り付けのアドバイスをするにつれ、宇野選手の心に火がつきました。

「全く強要はされないんですけど、『世界一になるには君はどうしたらいいと思う?』っていう質問をしていただいたり、それだけ僕の実力、力を信じてくださっている。そういう期待にも応えたい」と徐々に前向きに考えるようになったといいます。

「ステファンコーチは僕の精神状態だったりメンタル面、スケートへの向き合い方を再び教えてくださる先生」と、感謝の思いを語りました。

そして宇野選手が世界一を目指したいと思い始めた時、さらに刺激を与えてくれた選手がいました。

「“最後の一歩”は間違いなく彼の存在だった」と宇野選手が話したのは、18歳の鍵山優真選手のことです。

鍵山選手は当時高校1年生だった2019年の全日本選手権で、宇野選手、羽生選手に次ぐ3位に入り、昨年の世界選手権でも銀メダルと急成長。北京五輪代表にも選ばれました。

その鍵山選手自身が、憧れの選手に挙げているのが宇野選手でした。

「すごく尊敬されているというのが、よくしゃべっていて感じる。今のままの自分だと絶対に追い抜かれるとか、もう僕から学ぶことがない状態になってしまう」と、宇野選手は危機感も感じていました。

「鍵山選手に負けないように」と、今シーズン宇野選手は4回転ループを追加し、4回転を4種類5本飛ぶという、これまでで1番難しいプログラムに挑戦しています。

「1年間でこれだけ進むことができた。これを何年も続けていたらもっと成長できる自分がいるっていうワクワク感が今あります」とフィギュアスケートが“楽しい”と感じていると話します。

そして1度はスケートから離れることも考えたといいますが、「使命感に今はかられていないので、やらなきゃいけないとかではなく自分がやりたい、そう思えている。そのスケートを存分に楽しんで、いつか絶対にやめなければいけない時が来るとは思うので1日1日を無駄にせず本当に後悔のないスケート人生を送り続けたい」と胸中を語りました。

宇野選手が出場する北京五輪の男子シングルは、ショートプログラムが2月8日(火)、フリーが10日(木)に行われます。