日本記録保持者・ハードル泉谷 学生ラストレースで“大クラッシュ”に「やっちゃいました」
◇第105回日本陸上競技選手権大会・室内競技(3月12日~13日大阪城ホール)
陸上・室内競技の日本選手権初日、60mハードルに東京五輪代表の泉谷駿介選手(22・順天堂大学)が出場しました。
泉谷選手は去年、この大会で60mハードル(室内)の日本新記録(7秒50)を樹立。さらに6月には、屋外の110mハードルでも13秒06の日本新記録を達成しました。
昨夏の東京五輪110mハードルでは、0秒03差で惜しくも決勝進出を逃したものの、日本勢57年ぶりとなる準決勝進出を果たしています。
この日予選3組に登場した泉谷選手は、序盤から飛び出すと、他を寄せ付けない圧巻の走りをみせ、トップでフィニッシュ。ラストには横を確認する余裕もありながら、日本歴代2位の7秒54をマークし、全体トップで決勝へと進みます。
去年よりも調子がいいという泉谷選手。自身の持つ日本記録更新への期待が高まるなか迎えた決勝。
スタートは「いい感じに出られた」という一方、その影響で歩幅が詰まり、ハードルに足をぶつけてしまいます。
3台目のハードルで右足を大きくぶつけ、バランスを崩すと、その後は立て直すことができず。腰が抜けてしまったといい、最後は歩いて、8位でフィニッシュしました。
レースを終え、取材エリアに来た泉谷選手の第一声は「やっちゃいました」。
東京五輪では目標としていた決勝に進めず、悔しい思いをした泉谷選手。今回のレースは、今後戦っていく世界の舞台を見据えて“攻めた結果”でした。
冬季練習は、走力を上げることを意識して取り組んできたといい、「練習で、本当に突っ込む意識をしていた。この辺(胸あたり)から思いっきり突っ込む感じでいっていたので、練習でも結構危ない時があった。シーズン中、いつかやるだろうなって思っていたら、今回やってしまいました」とコメント。
現在大学4年生の泉谷選手は、順天堂大学のユニホームを着て走るのはこれが最後。
「特別な思いはやっぱりあったんですけど、こんな結果になって、自分らしいっちゃ自分らしい。やっぱり最後はしっかり決めたかったなという気持ちがある。この経験をしっかりいかしてシーズンに入りたい」と、前を向きました。