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【実況アナ取材記5】自転車「BMX」&バイク「MOTO X」 勝敗の鍵はタイミング!?

2022年4月22日 6:00
【実況アナ取材記5】自転車「BMX」&バイク「MOTO X」 勝敗の鍵はタイミング!?
解説・田中光太郎さん(右) 、日本テレビ伊藤遼アナウンサー(左)
いよいよ今日開幕する世界最大のアクションスポーツ国際競技会『X GAMES』(エックスゲームズ)。今回はその実況を担当するアナウンサー5人が、取材を続ける中でみつけた注目点やみどころを紹介します。最終回は、伊藤遼アナウンサーです。

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日本初上陸のX GAMES。私は自転車競技の「BMXフラットランド」とバイク競技の「モトエックス ベストウィップ」の実況を担当します。この2つの競技で共通して見てほしいのは、『大技を出すタイミング』なんです。

X GAMESでは19年ぶりに行われる「BMXフラットランド」。8人が出場し、今大会唯一となる1対1のトーナメント方式で行われます。

各ライダー持ち時間は90秒。トリック(技)・ルーティンを披露している間のみ時間が減っていきます。自分が1つ技を終えれば時間を止めて相手のターンに、相手が終えれば次はまた自分のターンというように、トリック・ルーティンを見せあい、技の難易度を競う競技です。

トリック・ルーティンの難易度は当然ですが、いかに持ち時間90秒を上手く使って相手ライダーにプレッシャーを与えられるかも、1対1では重要になります。

例えば、相手ライダーが30秒以上のロングルーティンを見せてきた後、相手ライダーの呼吸が整う前に自分はわざと短いトリックで終えて相手に順番を回し混乱させるなんてことも。どんな技をどのタイミングで出すかも戦略の鍵を握っているのです。

解説の田中光太郎さんは「どこで大技をだすか、相手にプレッシャーを与えるか、心理面での戦いも是非楽しんでほしい」と話していました。

一方「モトエックス ベストウィップ」はランプというジャンプ台を使い、バイクに乗って空中へ飛び出し、どれだけ横に倒したり捻ったりできるかを競います。2008年から採用された種目で、今大会唯一の「モトエックス(MOTO X)」競技です。

ライダーたちは順番に、制限時間8分の間、可能な限りランを行い、総合的な印象などで順位が決まります。

そう、順位は「総合的な印象」で決まるのです。出場選手7人で8分間を使うため、どこで自分の得意なトリック、難しい角度を成功させるかが勝負の決め手になります。たとえ同じ難易度のトリックでも最初と最後では印象に残るのは最後になります。最初に自分が大きなトリックを成功させても、最後に他のライダーが自分と同じトリックを決めれば逆転される可能性が高くなるのです。自分の順番や他のライダーのトリックの成功具合によって、得意技を出すタイミングが結果に大きく関わる競技です。

解説を務める加賀真一さんは、「8分間止まることなく、世界レベルを見続けられます。トップライダーがどの場面でどんなトリックを見せてくるのか、私自身も楽しみです」と話していました。

世界トップ選手たちのド派手なトリックはもちろん、どのようなことを考えてそのタイミングでそのトリックを出したのかを想像しても、楽しいかもしれません。

4/22(金)BMXフラットランド トーナメント
4/23(土)モトエックス ベストウィップ決勝

取材・執筆 伊藤遼(日本テレビアナウンサー)