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競泳・渡辺一平が涙 五輪出場が絶たれる

2021年4月8日 1:25
競泳・渡辺一平が涙 五輪出場が絶たれる

7日に、東京アクアティクスセンターで行われた競泳・日本選手権の5日目。男子200m平泳ぎ決勝が行われ、20歳の佐藤翔馬選手が日本記録となる2分06秒40で優勝。2位の武良竜也選手(24)も派遣標準記録を突破。2人がこの種目の東京五輪代表に内定しました。

一方、東京五輪の金メダル候補と期待されていた、日本記録保持者の渡辺一平選手(24)はまさかの3位に終わり、代表落ち。五輪出場の道が絶たれました。

世界記録の誕生も期待された、200m平泳ぎの決勝。序盤は、実力者の渡辺選手と佐藤選手が引っ張る展開。少しずつ佐藤選手がリードを奪うと、前半100mは佐藤選手が渡辺選手に0秒64の差をつけ、折り返します。

その後も2人の差は縮まらないまま、レースは最後の50m。佐藤選手が世界記録を上回るペースで進む中、渡辺選手は徐々に失速。すると、最後にペースを上げてきた準決勝1位通過の武良選手に追い抜かれ、3位でフィニッシュ。前世界記録保持者が代表権を逃す結果となりました。もう1つの出場種目、100m平泳ぎでも代表権は得られていないため、これで渡辺選手の東京五輪出場の道が絶たれました。

レース直後はコースロープにつかまり、しばらく動けなかった渡辺選手。レースを振り返り、「自分らしい泳ぎだったりレース展開っていうのは僕自身はしっかりとやれたつもりなんですけど、タイム・順位、全てにおいてふがいないというか、なんでこのようなことになってしまったのかというのが、自分自身整理できていないという状況。悔しいですね。こんなに悔しいと思わなかったです」と正直な気持ちを吐露。「純粋に僕自身はこの大会に向けて何か月も努力して、今までの人生でも一番頑張った時間だったんですけど…」と涙を浮かべ、言葉を詰まらせながら語りました。

それでも、「これが今、僕ができる精いっぱいの泳ぎだったんじゃないかなと思います」と締めくくった渡辺選手。最後は、「今大会このような結果に終わってしまったんですけど、代表権を獲得した2人に東京五輪は大暴れしてほしいなと思います」とエールを送りました。


写真:YUTAKA/アフロスポーツ