羽生今季最終演技「4回転半に続く道を」
16日に行われたフィギュアスケート世界国別対抗戦(丸善インテックアリーナ大阪)。男子フリーに臨んだ五輪連覇中の羽生結弦選手(26)は、今季ラストフリーで193.76点をマークし、ネイサン・チェン選手に次ぐ2位となりました。
戦国武将の上杉謙信を演じるフリー「天と地と」を舞った羽生選手。冒頭の4回転ループを見事成功させるも、続く4回転サルコーが1回転となるミスで得点を伸ばせませんでした。
実は、演技前の6分間練習で自身が跳んだ際にできた氷上の穴にハマったことが原因。「自分の性格上しようがないと思うんですけども、かなり同じところで跳べるんですね。だから同じような穴にハマって、つっかかってしまうことが結構ある。わずか何センチですかね、エッジの溝なんですけども。しっかりそこにハマりました。他のところで跳べっていう話なんですけど、でも今までそれも何回かやってきて、結果ダメだったので。僕はやっぱり自分が信じる道、自分がそれほどまでに精密にできるということが、自分の強みだと思う。9割跳べるとかではなく、100%跳べるっていうコントロールできるのは自分の強みだと思います」と、強さゆえのミスだったことを試合後明かしました。
それでもミスだけでは終わらせなかった羽生選手。最後のジャンプとなった3回転半ジャンプを前に「絶対きれいに決めてやるんだって。4回転半(ジャンプ)に続く道を、ここで示すんだという気持ちで」と心に誓うと、高さのあるきれいな放物線を描いてしっかりと着氷。出来栄え評価では出場選手の中で唯一3回転半ジャンプで3点以上の加点をマークしました。
今季最後の演技を終えて羽生選手は、「悔しい気持ちはもちろんありますけど。世界選手権終えて2週間、(隔離で)正直普通の生活ではなかったし、食事もいつものようにはとれなかったりとか。その中でもよくやったといってあげたい」と振り返りました。
写真:森田直樹/アフロスポーツ