柔道からレスリングへ 鶴田が日本一に
レスリングの全日本選抜選手権大会で29日、グレコローマン87キロ級の試合が行われ、自衛隊体育学校の鶴田峻大選手が優勝。自身初となる世界選手権への切符を手にしました。
鶴田選手は「この階級は(自衛隊)体育学校が表彰台を独占してきた階級なので、体育学校として優勝を取れたのはホッとしている」と話しました。
鶴田選手は異色のレスリング経歴の持ち主。高校を卒業し、自衛隊に一般入隊。一般候補生としての厳しい訓練を終えた後、小学5年生から続けてきた柔道で体育学校に入校しようとセレクションを受けるつもりでした。
しかし、柔道部の枠があいておらず、レスリング部のコーチに「レスリングに向いてるよ、レスリング部に入らないか」と勧誘され、全くの初心者として自衛隊体育学校レスリング部に入ることを決めました。
鶴田選手「柔道での得意技は足技だったんです。でも、レスリングはグレコローマンをやっているので上半身の攻防のみ。全く柔道の経験が役に立たないんですよ。始めた頃は本当に先輩方に歯が立たなくて、毎日悔しくて泣く日々が続きました」。
レスリングをやめて一般部隊に戻ろうと何度も思ったと話します。
鶴田選手「でも、技がきまり始めたりするとやっぱり楽しくなってきましたね。練習自体も相手は日本でもレベルの高い先輩方だったんでいろいろ学べました」
その後めきめきと頭角を現し、レスリングを初めて1年半後の2016年、全日本社会人オープン選手権で初優勝をするまでに。東京五輪への挑戦権をかけた戦いには敗れてしまった鶴田選手ですが、次のパリ五輪へは「自分が必ず行く。重量級の(世界との)壁を感じていたが、日本の重量級のレベルも上がってきていると思います。(世界選手権では)5位圏内に入りたい。それがパリへの自信につながると思います」と語りました。