ハードル寺田明日香 日本新も「悔しい」
新型コロナウイルスの影響で1か月延期となっていた、木南道孝記念陸上大会が1日、大阪・ヤンマースタジアム長居で開催されました。
女子100mハードルに出場した、日本記録保持者の寺田明日香選手(31)が、自身が持つ日本記録を0秒09更新する12秒87の日本新記録をマークしました。
6歳の娘を育てながら東京オリンピックを目指す“ママさんハードラー”の寺田選手は、異色の経歴の持ち主です。
100mハードルでインターハイ3連覇、日本選手権でも3連覇を達成するなど、輝かしい成績を残していましたが、相次ぐケガなどの影響で、2013年に陸上競技を引退。その後、7人制ラグビーに競技転向し、日本代表練習生として活動しました。
2019年シーズン、再び陸上競技に復帰すると、その年の9月には、当時の日本新記録となる12秒97をマーク。今年4月の織田記念陸上では、その記録を0秒01上回る12秒96の日本記録を樹立していました。
絶好調の寺田選手はこの日、予選から貫禄のハードリングをみせます。スタートから抜け出すと、ぐんぐん加速。後続を突き放し、追い風0.6mの条件の中、12秒87の日本新記録を樹立しました。
およそ2時間半後に行われた決勝でも12秒89(追い風0.3m)の日本歴代2位となる好タイムをマーク。12秒8台を2本そろえる圧巻の走りで、今大会を制しました。
それでも、東京五輪参加標準記録の12秒84にはわずかに及ばず。レースを終えた寺田選手は、「12秒87で走れたので、84で走りたいと思っていたが、決勝は後半崩れた部分があって、そこはまだまだかなと思う。予選と決勝2本とも8台でそろえられたのはこの2年間の進歩だと思う」と手応えを口にしました。
一方、記録については、「悔しい方が大きいですね。日本新を出してこんなに悔しいのは初めてなんですけど」と、悔しさをにじませました。
次戦は6日に鳥取県で行われる布勢スプリント。参加標準記録突破に挑みます。