魂の5球 斎藤佑樹2軍戦ラスト登板で涙
◇イースタン・リーグ 日本ハム対DeNA(3日、鎌ヶ谷スタジアム)
1日に今季限りでの現役引退を表明した日本ハム・斎藤佑樹投手(33)が2軍のホーム最終戦に登板しました。6回、「ピッチャー・斎藤佑樹」とアナウンスが流れると、その勇姿を見に来た大勢のファンから拍手を受け、斎藤投手はマウンドへ。投球前に早稲田実業高校の後輩・清宮幸太郎選手が駆け寄り、斎藤投手と言葉を交わしました。
その斎藤投手は乙坂智選手に対し全球ストレートで勝負。「泣かないようにと思っていた」という斎藤投手でしたが、2ボールから空振りで1ストライクを取ると目に涙が。そして2ストライクに追い込み、最後は外角高めへ132キロのストレートで空振り三振を奪いました。
マウンドを下りる前に清宮選手と熱いハグをかわした斎藤投手は、涙をぬぐいながらベンチへ戻りました。斎藤投手は「(清宮)幸太郎が『楽しんで投げて下さい』と泣きながら言ってきたので、それが一番きちゃいました」と涙の理由を話し、続けて「絶対、来年以降ファイターズを代表するスラッガーになるので、頑張って欲しい」と、清宮選手への期待を口にしました。
かつては150キロに近かった球速も、この試合の最速は133キロ。それでも「今の自分が出せる最大限の4シーム(ストレート)だったので、悔いなく投げられました」と話した斎藤投手。「不覚にも泣いてしまったことは反省ですけど、ただやっぱりずっとやってきた仲間と一緒に最後グラウンドに立てたという事は、とてもうれしいことです」と、2軍戦最後の試合を振り返りました。
そして引退セレモニーでは「今シーズン限りでの引退を決断いたしました。最後まで応援していただいたファンの皆様ありがとうございます。時には厳しく時には愛のある声援を、もう選手として聞くことができないと思うととても寂しい気持ちです。監督・コーチ・トレーナー、こんな身体になるまで、最後まで付き合っていただき、ありがとうございました。最後になりますが、皆さんとの思い出は僕の一生の宝物です。11年間、本当にありがとうございました」と、最後は笑顔でグラウンドを去りました。
1軍のオリックス戦(17日)に登板予定の斎藤投手は「感謝して最後投げさせてもらえたらと思って、ちゃんとバッターを抑えられるように準備していきます」と、現役最後の試合に向けて意気込みを語りました。
写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ
※写真は2019年3月18日撮影