【図解】パリ五輪代表選考 柔道は異例の早期内定も!パリでメダル量産へ
■五輪出場枠獲得には世界ランキング17位以内が必要
男子7階級、女子7階級の個人戦、そして男女混合の団体戦が行われるパリ五輪。
各国・地域の出場可能枠は、男女各階級それぞれ最大1枠のみ。最終日の団体戦は、個人戦で選出されたメンバーで組まれます。
出場枠を獲得するには、国際柔道連盟が定めたオリンピックの予選期間内(2022年6月24日~2024年6月23日)に行われる国際大会に出場し、IJF(国際柔道連盟)ランキングのポイントを稼がなければなりません。
そのランキングで17位以内に入れば出場枠を獲得でき、1つの国・地域で17位以内に2選手入った場合は、国内選考によって代表選手が決定します。
■異例の早期内定も!日本国内の選考方法は―
代表内定選手を審議、決定するのは全日本柔道連盟(全柔連)の“強化委員会”。
今後の強化委員会は代表的な柔道の国際大会後に数回に分けて開かれ、
①『監督と強化コーチが他選手よりも明らかに優位となったと判断した選手』
②『全柔連が定めた五輪選考の対象大会結果と内容から総合的に判断』
のいずれかの条件をもとに強化委員会で審議。3分の2以上の委員が出席し、過半数の賛成を得られた場合に代表内定選手が決定します。
■早期内定はデータに基づく方針―阿部兄妹はすでに内定
これは、全柔連の科学研究部が出した「早期代表内定者がメダルを取る確率が8割を超える」というデータなどをもとに、連盟が協議を重ねた上で決まった方針です。
6月末に行われた第1回の内定選手発表は①の条件をもとに、下記2つの判断材料で代表選考の審議が行われました。
『2023年ドーハ世界選手権での優勝者』
『各階級2番手との明確な差がある選手』
これにより代表に内定した選手は下記男女4名です。日本柔道史上最速となる、五輪本番から約1年1ヶ月前の代表内定となりました。
・女子48キロ級 角田夏実選手
・女子52キロ級 阿部詩選手
・女子70キロ級 新添左季選手
・男子66キロ級 阿部一二三選手
■パリ五輪注目は東京五輪金の阿部一二三、阿部詩兄妹
東京五輪では五輪史上初の兄妹同日優勝を成し遂げた阿部一二三選手、阿部詩選手。
東京五輪後に出場した国際大会では、全大会で優勝。今年行われた世界選手権では兄妹同日優勝を果たし、6月末に開かれた強化委員会では、日本柔道史上最速となるおよそ1年1ヶ月前に五輪代表に内定しました。
パリ五輪でも史上初となる兄妹同日連覇が期待されます。
■女子注目は―谷亮子さん以来の金なるか 世界選手権3連覇、女子48キロ級の角田夏実
女子の注目は、阿部兄妹と共に日本柔道史上最速で代表に内定した、48キロ級の角田夏実選手です。
この階級は、2000年シドニー五輪、04年アテネ五輪で五輪連覇を成し遂げた谷亮子さんと同じ階級。04年アテネ五輪以降、金メダルが取れていないこの階級で、角田選手には20年ぶりの金メダルが期待されています。
角田選手の得意技は『巴投げ』と『寝技・関節技』。今年の世界選手権決勝でも巴投げで一本勝ちを決めるなど、「警戒されていても技がかかる」という巴投げを武器に、世界の舞台で活躍しています。
そして「サンボ」「グラップリング」といった、柔道以外の競技にも取り組んで習得したという『寝技・関節技』も得意としている選手です。
柔道競技では初日に試合が行われるため、パリ五輪の金メダル第1号に期待がかかります。
■男子注目は―父は五輪2大会金の斉藤仁さん 男子100キロ超級の斉藤立
父は84年ロサンゼルス五輪、88年ソウル五輪と、2大会金メダリストの斉藤仁さん。立選手は身長192センチ、体重は160キロと父親譲りの大きな体格を持つ選手です。
現在大学4年生で21歳の立選手。若手の選手ながら、東京五輪以降の国際大会では世界の強豪が出場する国際大会で優勝を飾るなど、注目の選手です。
パリ五輪では、史上初となる親子での五輪金メダルが期待されています。
<今後の主な日程>
ワールドマスターズ(ハンガリー):8月4日(金)~6日(日)
グランプリ(クロアチア):8月18日(金)~20日(日)
グランドスラム バクー(アゼルバイジャン):9月22日(金)~24日(日)
グランドスラム アブダビ(UAE):10月24(火)~26日(木)
グランドスラム東京(日本):12月2日(土)~3日(日)
パリ五輪開催日程:2024年7月27日(土)~8月3日(土)