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【箱根駅伝】東京農大1年・前田和摩が誓う 10年ぶり箱根路は古豪復活の「スタートにしたい」

2023年12月27日 12:02
【箱根駅伝】東京農大1年・前田和摩が誓う 10年ぶり箱根路は古豪復活の「スタートにしたい」
前田和摩選手
2024年1月2日、3日に行われる箱根駅伝。スーパールーキーの原動力で10年ぶりの出場を果たす東京農業大学は、名物・大根踊りとともに箱根路に帰ってきます。

■スーパールーキーが鮮烈デビュー

東京農大は第2回大会に初出場。以来、今回を含めて70大会出場と古豪です。しかし、最後の出場は90回大会と、近年は本選の舞台から離れています。

それでも大会出場へ、自信を口にしていたのは小指徹監督。「今の4年生、彼らが入ってきたときに『4年生になったときに出るんだ』という強い思いや意志はありました。そしてそこに前田が入学してくれた、今年はチャンスが巡ってきた」と話します。

小指監督が名前を挙げた"前田"とは、1年生の前田和摩選手。

その名をとどろかせたのが、6月に行われた全日本大学駅伝の予選会。前田選手にとって初の1万mでしたが、留学生とガチンコ勝負しトップに立つ場面も。ラストで2人に抜かれますが、それでも日本選手トップの3位でフィニッシュ。タイムは当時のU20歴代2位となる28分3秒51と、鮮烈な1万mデビューを飾りました。

そのパフォーマンスに4年生の並木寧音選手も「マジ強いっす」と舌を巻きます。称賛するのは単に速さだけでなく、「(前田は)試合に挑む姿勢、練習に取り組む姿勢が真剣で真面目です」と普段の意識にもわたり、「自分も前田から学ぶところがある」と4年生に言わしめるほどです。

そんな東京農大の目標は10年ぶりの箱根駅伝出場を果たし、古豪復活させること。前田選手は「一番の目標は箱根の予選会突破なので、そこに向けて自分の力を出し切りたい」と語り、並木選手も「決められたら10年ぶりの箱根駅伝なので、もう一度大学の扉を開きたい、色んな人たちの思いを背負って走りたい。今年がチャンスだと思っているので、そのチャンスをみんながつかみたいと思っています」と、その照準は予選会に向いていました。

同じ思いを抱くのは、東京農大の応援団。名物となった"大根踊り"を箱根路に復活させる。応援団団長の加藤俊弥さんも「陸上部と一緒に箱根に行って、記憶にも記録にも残る応援します」と練習にも熱が入ります。

■10年ぶりの出場は古豪復活の「スタート」

迎えた10月の予選会。前田選手は序盤、並木選手とともに日本選手2位集団でレースを進めます。先輩の並木選手にペースを作ってもらった前田選手は余裕のレース運び。15キロ過ぎで集団を飛び出しペースを上げます。

そして日本選手トップをひた走っていた中央学院大学の吉田選手をとらえると、一気に抜き去ります。

前田選手は「自分で意識していることは、抜くときや前に出るときは思い切ってガツンと力を出すようにやっていて、もう15キロだから前に行こうと。集団にも人数が結構いたので、ラスト5キロで順位は全然変わるかなと思って、もうここは1秒でも稼ぎたいと思って、思い切って前に出ました」という思いでスパートをかけた前田選手。勢いをキープし日本選手トップとなる、1時間1分42秒でフィニッシュしました。

運命の結果発表では、11位で本選出場を決めると、選手たちは輪になって喜びを分かち合いました。10年ぶりの箱根駅伝には涙と安堵、そして感謝の思いがありました。

4年生、最後のチャンスで箱根駅伝を決めた並木選手は「10年ぶりに決められたので、後は色んな人に感謝の気持ちと、ここまでサポートしてくれた皆さんに恩返しの気持ちで走りたいです」と語ります。

本選出場の原動力になった前田選手は「100回大会ということで、色々な人が見てくれると思うので、東京農大すごいなって思ってもらえたらうれしい。昔から伝統のある大学ということで、10年ぶりに戻ってこられた箱根駅伝。今年で終わりにしたくない。今年をスタートにしたい」と古豪復活を誓いました。

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