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医学生向け「AIアバター」開発へ 長崎大学など 患者とのコミュニケーション能力向上目指す《長崎》

2024年3月19日 19:48
医学生向け「AIアバター」開発へ 長崎大学など 患者とのコミュニケーション能力向上目指す《長崎》

長崎大学情報データ科学部は19日、生成AIを活用した「模擬患者アバター」の開発を進めると発表しました。医学生が問診のトレーニングを行う際に使用し地元企業や大学病院と共同で研究を進めます。

画面に現れた“患者役”のキャラクター。
質問を打ち込むと…

(説明)
「症状はいつ頃から出ていますかという質問に対しては、2週間前に風をひいてから咳と痰が続いていますと回答してくれた」

「模擬患者アバター」は、長崎大学情報データ科学部の小林透教授の研究室と、長崎大学病院、
ソフトウェア開発などを手掛ける長崎市の「システック井上」が共同で研究を行っています。

正確な診断を行うため、医師が身につけなければならないコミュニケーションスキル。

医療系の学校が集まる都市部では「模擬患者」と呼ばれる患者役を演じる役者などが医学生の問診のトレーニングの相手をしていますが、地方ではその確保が難しいといいます。

(長崎大学病院 川尻真也准教授)
「しっかりとした模擬患者を準備するのに訓練が必要で時間もお金もかかる」

今回開発するアバターではAIに事前に設定された症例などのシナリオを学習させ医学生が、患者とのやりとりを練習できるように。

今後は表情や動作なども反映させ、よりリアルに問診ができるよう研究を進めるとしています。

(長崎大学情報データ科学部 小林透教授)
「医療の高度化という大きな目標はもちろん重要だがそれに加えて新しいビジネスを長崎から全世界に発信できるチャンス」

今年10月までには試作版を開発し、今後2年ほどで製品化を目指したいとしています。