8割が耕作放棄地…かつて米どころとして名を馳せた「千町の棚田」守るために必要なことは
この日のお客さんは、ニュージーランドから来たという2人。去年初めて日本を訪れ、改めて日本の文化にふれたいと再来日しました。
Q.なぜ千町に来た?
デニスさん:
「静かで山があって何もなくて昔の写真を見たり記事をみたりしてここに来たんだ。すごく歴史を感じる」
オータムさん:
「理想的な場所。とても静かですごく心落ち着ける場所で」
デニスさん:
「日本でもこんな田舎を知っている人は少ないかもしれないけど「田畑を耕したり大自然の中で昔ながらの生活を営むことができる場所。千町には日本の原風景というべき風景が広がっています。
山内さん:
「やっぱり棚田はねすごい歴史があるからね。これ(石垣)は人の手で積んだんだぞっていう。ここへ来て泊まってくれてそんなことを感じてくれればそれでいいんじゃないですか」
7月。千町地区の寺で、夏の伝統行事が行われました。
山内さん:
「これを座ってぐるぐる回すだけですよ。これ昔はもっと大きくなかった?」
女性:
「一緒じゃない?子供の時は大きく見えたけど」
3メートルもある大きな数珠をくりながら念仏を唱える「虫祈祷」です。
30年前まで千町で暮らしていた高橋フクエさん(85):
「小さいときから毎年やってるから。ここへ遊びに来て一緒に数珠を回したりしました。昔はねここにお店をたくさん並んでね…楽しかったですよ」
70年前に600を数えた人口は、現在15人ほどに。古くから続いてきた伝統行事。
千町の住民 伊藤賀穂利さん:
「地元の人間はほとんどおらんし、下から来てる人が手伝ってくれるから(虫祈祷が)何とかできよる。やめよういう人もおらんし、でもこれから先はやめるようになると思いますわ」
田植えから約80日。夏休みも終盤となったこの日、棚田では…
棚田チーム 成高久豊先生:
「こういうようなヒエをとっていかんといかんのよ。米とは違うやろ?ヒエね」
西条農業高校「チーム棚田」のメンバーたちが、米の天敵「ヒエ」の駆除作業を行っていました。