8割が耕作放棄地…かつて米どころとして名を馳せた「千町の棚田」守るために必要なことは
棚田チーム 伊藤政喜さん:
「全然わからんっす。見分けつかんし。あったー?わからんよね」
棚田チーム 得居大次朗さん:
「うわぁ!蜘蛛の巣あった」
一見、イネとよく似ているヒエ。初心者ぞろいの棚田チームには判別が難しいようで…みんなで悪戦苦闘です。それでも…
伊藤さん:
「あっあった。これですね。ヒエです。結構大量に一か所に生えてますね」
棚田チーム 芝快心さん:
「稲の方が粒が大きいんですよ。ヒエの方が小さくて背が低いんですよ」
さすが高校生!あっという間に見分けるポイントををつかんだようです。
成高先生:
「ヒエで負けるから稲が。だから本当は若いうちにやってたら一番楽なんやけどね。もう草刈りが忙しくて手が回らないというのが現状。いっぱいありすぎて」
学校が休みの日に限られる、棚田チームの活動。棚田の管理に十分手が回らないのが、成高先生の悩みです。
水の管理も、米作りに欠かせない大切な作業の一つ。この日、急な坂道の先にある水源の沢の様子を確認です。
成高先生:
「昔の人は田んぼが全面にあったから、上から順番に水がおりてきてた。耕作放棄地になって水が入らなくなってきた。水源がどこにあるかわからなくなっている所もある」
棚田の保全活動を始めて今年で10年…
棚田チーム卒業生 三好さん:
「でも定年60過ぎでしょ?成高先生今年いくつっすか?」
成高先生:
「今年?25!こんなん軽いもんよ~」
棚田チームの卒業生やかつての教え子も加わって、少しずつ広がってきた保全活動の輪。
成高先生:
「ちょっとずつ育ってきよるから少しずつ」
Q.先生にとってうれしい?
成高先生:
「うん譲れるから。なんぼ僕らがやれてもあと5年ぐらいやから」
Q.これだけの広さを守っていくとなったら何が大事か?
成高先生:
「やっぱり人とのつながりかな一番はね。あと関心をもってくれる方とかね。関心をもってくれたら少しずつ広がるから」
過去から現在、そして未来へ。米作りを通して人と人とを結びつけてきた石積みの棚田。千町の棚田に、間もなく実りの秋が訪れます。