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【特集】“日本一カッコよく!”新時代スーパー『八百鮮』 店員はイマドキの若者たち! 「調子に乗っていた…」挫折を繰り返しながらも野菜に向き合ってきた27歳・若き店長の奮闘の日々に密着

2024年12月1日 12:00
【特集】“日本一カッコよく!”新時代スーパー『八百鮮』 店員はイマドキの若者たち! 「調子に乗っていた…」挫折を繰り返しながらも野菜に向き合ってきた27歳・若き店長の奮闘の日々に密着
安い!新鮮!カッコいい!新時代スーパー

 大阪や神戸で、今お客さんが殺到しているスーパーがあります。野菜や魚にお肉などの生鮮食品が格安で買えると評判です。“日本一カッコよく!”をモットーに、会社を支えるのは若い社員達。新店舗を任せられたのは27歳の若き店長。果たしてお店の行方は?“安くて新鮮でカッコよく!”新時代のスーパーに情熱を注ぐ若き店長の喜びと苦悩の日々に密着しました。

■「値段の割に物がすごく良い」安くて新鮮でかっこいい!を実現させるために奮闘する若き店長「当たり前のことをやってきた結果」

 神戸市東灘区にあるスーパー『八百鮮』。野菜や魚、肉などの生鮮食品が格安で買えると評判で、大阪を中心に現在9店舗を展開しています。

(店長・安井拓巳さん)
「どうぞ、いらっしゃいませー!」

 お店を切り盛りするのは、入社8年目、魚崎南店の店長・安井拓巳さん。まだ27歳です。

 この日、店長の安井さんが自らトラックを運転してやってきた場所は、大阪・野田にある中央卸売市場です。バイヤーを持たず、毎朝、店長自ら仕入れを行っています。

 馴染みの仲買人にトマトの値下げ交渉…

(安井さん)
「トマトやねんけど…」

(仲買人)
「1箱2800円。それ以上マケへんマケへん!絶対マケへん!(笑)」

(安井さん)
「相場とかを見ながら、感じながら、誰やったらもうちょっと安いかなとか、そういう戦いもやってます」

 仕入れた野菜は運転してきたトラックへ。運送費をカットすることで、価格に還元しているといいます。そして、数時間後には鮮度抜群の野菜を、店頭に並べます。売り場づくりや価格を決めるのも店長の裁量です。

 『八百鮮』のオープンは朝10時。開店と同時に客が押し寄せ、店内は大賑わいです。

(客)
「お野菜がいつもきれいなんで。よそのスーパーよりは安い」

(客)
「値段の割に物がすごく良くて、果物がすごく美味しかった」

(安井さん)
「しっかり毎日市場に行って、いいもん売るっていうのは、8年間も変えてない。当たり前のことをやってきた結果かなと思っています」

■「若い人いっぱいおるし、髪型自由やし」高校卒業後農家に就職も1年で挫折…それでも大好きな野菜に携わりたくて『八百鮮』へ―

 少年時代はサッカーに明け暮れていたという安井さん。進学した農業高校で野菜を作る楽しさを知り、1度は農家に就職しました。しかし、1年で挫折―。

 それでも大好きな野菜に携わる仕事がしたいと思い、そんなとき出会ったのが、この『八百鮮』でした。

(安井さん)
「なんか若い人いっぱいおるし、髪型自由やし、ベンチャー感強めだったので」

 持ち前の愛嬌と明るさ、そして野菜への愛が認められ、入社3年目には店長に。

Q.安井さんは、どんな店長ですか?
(スタッフ・相川拓哉さん)
「視野の広さが、今まで見た事ないぐらいすごい。絶対顔上げた瞬間、すぐ目が合う。常に周りを見ている」

(鮮魚チーフ・東出さん)
「プライベートは、ほんまに若い兄ちゃん。お酒飲んだら、ちょっとやばいやつ…みたいな(笑)」

Q.イマドキの若者が仕入れを担当していますが、ベテランの仲買人さんは、どう見ていますか?
(小西商店・家路さん)
「ベンチャーベンチャー。八百屋界初めてベンチャー。でもまだまだやけど!まだまだ!」

 2011年に大阪・野田の商店街で開業した『八百鮮』は、社員の多くが20代の若者たち。スーパー業界では異端ともいわれています。

全従業員を集め開かれる年1回の社員総会『八百鮮』サミット。その模様を覗いてみると…

 会場ではマイクパフォーマンスで社員を盛り上げる安井さんの姿が。

(安井さん)
「盛り上がってますか!ヤオセン!」

(社員一同)
「「いえーい!」」

 『八百鮮』の代表取締役社長・市原敬久さん(42)は28歳の時、わずか3人で会社を立ち上げました。それが今では社員250人を超える大所帯に。

(代表取締役社長・市原敬久さん)
「何を仕入れようかな、いくらで売ろうかなって毎日みんな悩みながら、そのまっすぐな商売が僕はかっこいいと思う」

■「調子に乗っていた」独立もうまくいかず出戻り―。しかし覚悟をもって仕事をする姿に社長や部下からも信頼され新店舗の店長に抜擢!

 2024年10月、神戸市の垂水駅前に、新店舗をオープンすることが決まった。店長に抜擢されたのは安井さんです。しかし、ここは元々あったスーパーが、経営不振で閉店してしまった訳アリの場所だといいます。

Qかなり難しい場所みたいですが、なぜ安井さんに任せるんですか?
(市原社長)
「神戸の出店に関してはマイナスからのスタートで、今まで創業以来、誰もやってきていない偉業。いろんな経験を積ませたい。ガッツはあるんで」

(安井さん)
「人通りはかなり多いので、認知さえしてもらえれば、『八百鮮』のスタイルはウケてくれるんじゃないかなと思っている。みんなが驚くような物と値段はつけられる」

順調そうに見える安井さんのキャリアにも、入社後に一度、挫折があったといいます。5年目の24歳のとき、独立を目指して一度退職。しかし、うまくいかずに出戻りました。

(安井さん)
「調子に乗っていた。自分でできると思っていました。頭下げて、戻りますって言って戻ってきました」

(市原社長)
「邪心がないというか、この業界のためにとか、自分の部下のためにみたいな、覚悟をもってやるというところは、増している」

 オープン前日の中央卸売市場では、いつにもまして仕入れに励む安井さんの姿がありました。ここでも武器は、培った仲買人とのつながりです。

(安井さん)
「取引先の方々も、普段あり得ないような仕入れ値で助けてくれるんで、頑張りたいなと思ってます」

■ついに新店舗オープン!広告ナシでも入場規制するほどの大盛況! 「『八百鮮』をもっと有名に…」まだまだスーパー業界に新風を巻き起こす

 オープン30分前には、すでに長蛇の列ができていました。

(安井さん)
「どうぞいらっしゃいませ!もりもりよろしくお願いします!大阪からやってきました『八百鮮』でございます!」

 チラシを出さなくても、口コミだけで、あっという間に店内にはひとだかりが。

 商品をどんどんカゴに入れていくお客さん。

(客)
「いっぱい買ったから入らへん」

(客)
「鮮度も良さそうな感じでしたし、今日すごい人ですけど、ゆっくり見られたら多分もっと買うかな」

 開店30分で早くも入場制限されました。

 しかし…

(市原社長)
「単価がちょっと低い。大阪の空堀店に負けてるもん」

(安井さん)
「こっからっす!」

 来店人数とは裏腹に、売り上げがあまり伸びていません。ここからが正念場です。

 その後も客足は絶えることなく続き、午後6時に初日の営業が終了しました。

(市原社長)
「2300人のお客さんにご来店いただいたということで、拍手したいと思います」

 最終的に売り上げは目標金額を突破し、上々な滑り出しとなりました。

Q.初日の営業はどうでしたか?
(安井さん)
「安心しました。来年もう1店舗できる。神戸でも、『八百鮮』っていうブランドをもっと有名にできたらいいかな」

 新鮮で、旬な野菜を食卓へ届ける―。“日本一カッコよく”働き、スーパー業界に革命を起こす若者たち。これからも期待しています。

(「かんさい情報ネットten.」2024年11月4日放送)

最終更新日:2024年12月1日 12:01