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“新成人”井手上漠 母親へ感謝の手紙を贈る 救われた母からの言葉

2023年1月9日 21:55
“新成人”井手上漠 母親へ感謝の手紙を贈る 救われた母からの言葉
井手上漠さん
モデルでタレントの井手上漠さんが、日本郵政『成人の日キャンペーン』(9日スタート)の動画に出演。自認する性別が“ない”という自分の個性について悩んでいた学生時代に救われた母親からの言葉を明かしました。

井手上さんが出演したのは日本郵政『成人の日キャンペーン』(9日スタート)の動画。自分らしさに悩んでいた井手上さんが、ありのままの自分を尊重してくれた母親への感謝を、新成人となる記念に直筆の手紙にして贈るストーリーを描いています。

■井手上漠さんから母へ、感謝の手紙

20歳になった私からお母さんへ

お母さん、20歳になりました。
私は今、社会の波の中で溺れそうになりながら必死に生きています。
「大人」になって思うのは、言葉では伝えきれないお母さんへの感謝の気持ちです。
中学2年の時にもらったあの言葉は、今も私を守ってくれています。
「普通」の男の子達とは好みも感覚も違っていて、自分の性別がわからず
周囲から浮いた存在だった頃、お母さんに呼ばれてふたりで話したあの日。
性別の悩みを打ち明ける怖さと、私を想ってくれている安堵感、
ごちゃごちゃな感情で大泣きしてしまいました。
ゆっくりうなずくお母さんのあの優しい目を私は忘れません。
そして「漠は漠のままでいいからね」って言ってくれたよね。
その言葉をもらった日以来、私は怖いものがなくなりました。
「普通だったら漠はどんなに幸せだっただろう、お母さんのせいなんじゃないか」
って言われた時もあったけど、全くそんなことないよ。
母子家庭で働きっぱなしだったから、学校の行事も来られなかったけど、
寂しいと思ったことは一度もなかった。
遠足のお弁当はどの子よりも、きらっきらなキャラ弁を作ってくれて、
運動会で1番をとれなくても「笑顔が1番だった」って手作りの賞状をくれた。
私は世界一幸せな息子です。
心配かもしれないけど、私は大丈夫だよ。
お母さんがくれた強さと優しさで戦っていけます。
成人になって、またいろんな壁にぶつかっていくだろうけど、
「漠は漠のまま」ありのままで頑張っていくよ。
私を産んでくれて、20年間育ててくれてありがとう。大好き。

井手上漠

キャンペーンの撮影は、井手上さんが生まれ高校生まで過ごした島根県・隠岐諸島で実施。母校の中学校や行きつけの喫茶店などで行いました。手紙を投函するシーンも、実際の島のポストが使われています。

■自分らしさに悩む自分を救った母からの言葉

幼少期からドレスや長い髪が好きで、女の子の友達と遊ぶことが多かったという井手上さん。小学5年生の頃にかけられた否定的な言葉から、自分が“変わっている”と違和感を覚え、“マイノリティー側の人間だった”ということに非常にショックを受けたそうです。

「なるべく男子の中に溶け込むように頑張ったんですけど、同時に心から楽しいと思えるものがなくなってしまったんです。このままマイノリティーとして生きていたら、社会に出たとき孤立してしまうんじゃないか、という恐怖から、この世から消えたいと思った時もあるほど悩んでいました」と当時の心境を語りました。

そんな井手上さんにとって“原点”となったのが、中学2年生の頃の母との会話。学校での出来事や、性別について調べてもわからなかったことなど、初めて自分のことを全部打ち明けたそうです。

「母はうなずくだけで、私が話し終わった後に“漠は漠のままでいいんだよ”って言ってくれたんです。当時の私は、それがすごく欲しかった言葉でした。そして、これからは好きなことを好きなだけやってやろうって思ったんです。それに対して批判的な声もあるかもしれないけど、不思議と怖くなかったんです。だって家に帰れば母が味方だから。そこから大好きだった美容を学び始めたり、自分の周りを好きなもので囲んでいきました」と、母の言葉に背中を押されたことを明かしました。