×

2回、3回と見たくなる動画とは… 「縦型ショートドラマ」ヒットの秘けつ【SENSORS】

2023年7月3日 20:07
2回、3回と見たくなる動画とは… 「縦型ショートドラマ」ヒットの秘けつ【SENSORS】
「ごっこ倶楽部」が制作に携わった、日テレ公式ショートドラマ「毎日はにかむ僕たちは。」より

今、SNSではショート動画が人気だ。ショート動画とは、スマホ画面に合わせた縦型のクリエイティブを特徴とする1〜3分程度にまとまった動画を指す。

短いからこそ、印象的であれば何度もくり返し再生され、そうでなければ記憶に残る余地なくスルーされてしまう。トレンド動画として2回、3回と視聴されるためには、どうすればよいのだろうか。

ショート動画のなかでも、昨今、注目の「縦型ショートドラマ」を手がける「ごっこ倶楽部」の総監督・多田智さんに聞いた。

■脳と耳をハックする…「2回見られること」を前提としたつくり

──動画配信が可能なSNSのなかでも、とくにTikTokでは同じ動画が2回以上見られないとトレンドになりづらく、視聴数が伸びないという配信者の声を聞きます。2回以上見られるためにはどんな工夫があるのでしょうか。

多田
例えば、映像に一瞬だけメッセージを映り込ませます。手紙やスマホのトーク画面を入れたりするとき、テレビドラマだったらしっかり見えるように時間を割きますが、すぐに切り替えてしまいます。普通に見ていたら読めないので、2回目で動画を止めて初めて意味がわかる。他にも、役者の表情や会話のラリーなど、1回目で見ていたら違和感なくても、2回目に見ると違う意味を感じられるようなものもあります。

最近、これはK-POPのPVと似ていると気づきました。K-POPアイドルって1人ひとりのビジュアルが強いので、1人を長く映しても絵持ちするのに、すごい速さで画面が切り替わっていきます。そうすると、推しの人を見るために何度も見たり、他の人も気になってきたりします。何度も見ていると、その曲が耳から離れなくなり、好きになる。ショートドラマもそれに近くて、テンポよく見られて、落ちが衝撃であればあるほど、2周目、3周目に入って「このドラマ面白い」とコメントがつきます。

   ◇  ◇  ◇

■制作のヒント…K-POPのPVなど「世界的ヒット」の中にも

「縦型ショートドラマ」でトレンド動画を作るには、直観的に強いインパクトを与えるさまざまな工夫が必要だ。

くり返し再生されるショートドラマ制作のヒントは、K-POPのPVをはじめとする世界的ヒット映像の中にも、多く見つかるだろう。中国ではすでに、ショート動画においてドラマが主要コンテンツとなっている現状もある。海外コンテンツからの情報収集も欠かせなくなりそうだ。

(5月18日放送『Z STUDIO SENSORS』より再構成)