歴史に残る仕事は「最高の仲間」と創る 3
株式会社「ビズリーチ」代表取締役社長・南壮一郎氏に聞く「飛躍のアルゴリズム」。3つ目のキーワードは「人事担当者も変わった。『どうして自分たちがやらなきゃいけないの?』から『ダイレクト・リクルーティング』へ」。南氏の語るダイレクト・リクルーティングのメリットとは?
■企業が主体的に動く採用活動
――ご自分の転職活動の経験から従来とは違う転職のビジネスモデルを構築された南さんですけれども、このキーワードのダイレクト・リクルーティングというのはどういうことなんでしょうか。
ダイレクト・リクルーティングはビズリーチが発案した言葉でもあるんですが、企業の皆さんが受け身の姿勢で人材会社、もしくは媒体を通じて応募してもらうというのが今までの採用のあり方だったんです。
それを別に否定するつもりはないんですけども、それに加えて、仕事を探している人材のデータベースがあり、そこに仕事を探したいという方々が登録しているのであれば、企業が主体的に採用活動を行うことによって、より優秀な人材を早く安く雇える。こういう手法をダイレクト・リクルーティングと呼んでおります。
■より効率的に適材適所の人材を採用できる
――企業側からの反応はどうですか?
最初は皆さん外注に慣れていたものですから、なかなか「なんで自分がやらなきゃいけないの」「なんで自分が手を動かさないといけないの」と言われ続けましたね。
それが少しずつ、このダイレクト・リクルーティング、自ら主体的に動いて採用活動をやるっていうことが、徐々に徐々に各企業の人事の採用担当者に広がっていった。これが自分たちとしては本当にこの事業のやりがいで、より多くの方々から企業は選べるんですよね。
ですので、このダイレクト・リクルーティングの普及によって、企業がより効率的に適材適所の方々を採用できる。こういう世界観を作っていきたいということで作ったのが、このダイレクト・リクルーティングって言葉です。
――実際に今はどのような反応なんですか?
今、我がプラットホームを通じて5000社以上にこの考え方が普及していて、企業の皆さんから「こんな人がうちに興味を持ってくれたんだ」「こういう人がうちに興味を持っていることすら知らなかった、気づかなかった」ということで、自ら動いていく。
最近では、企業の中でプロリクルーターっていうヘッドハンターみたいな方々が企業の中にいて、自ら主体的に人を探すっていうような職種も企業内で出来てきたくらい一般化しだしているっていうのが今の採用業界の現状です。
■“待ち”と“攻め”では大きな差
――企業もずっと待ちの姿勢だったと思うんですが、攻めに入ることによって初めて気づくこともあったということなんですね。
いま、本当に人の取り合い、まさに人材獲得競争になっているこの現代において、応募を待ってるんではなくて、企業が自ら情報発信し、自ら企業がその人材を取りに行く。
これが当たり前の世界になっていく中で、待ってる企業と攻めてる企業の間には、人材を取る上では非常に大きな差が生まれてるっていうのが今の実態でございます。