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東大西洋クロマグロ、漁獲枠拡大へ

2014年11月16日 7:29

 イタリア・ジェノバで開かれているICCAT(=大西洋まぐろ類保存国際委員会)の年次総会で15日、来年の東大西洋でのクロマグロの総漁獲枠が拡大する見込みとなった。

 地中海を含む東大西洋はクロマグロの主な漁場の一つだが、保存の観点から、ここ数年は10年前の4割に当たる年間約1万3000トンしか漁が認められていない。ところが先月、専門家会議が「資源が回復している」とする報告書をまとめ、今回の会議で総漁獲枠が拡大される見込みとなった。会議では、来年から3年にわたり20%ずつ拡大するとの案を元に、各国ごとの割当量とあわせて調整が行われているという。

 太田慎吾・政府代表「基本的には、皆さん資源回復は実感しているので、増やす方向になると思うが、最終的にどういう決着になるかは、まだ予断を許さない」

 一方で、専門家会議をとりまとめた研究者はより緩やかな拡大が望ましいと話した。

 科学委員会議長、シルバン・ボノモー「最終目標は問題ないが、(20%拡大は) 科学的な立場としては少し早過ぎる。拡大の影響を把握するのに時間がかかるからだ」

 限りある資源をどう守り、分け合うか。激しい議論が行われている。