ロシアで、プーチン政権批判で知られる反体制派の有力指導者が８日、横領の罪で有罪判決を受けた。出馬を表明している来年の大統領選挙に出られない可能性が高まっている。

　有罪判決を受けたのは、反体制派の有力指導者、アレクセイ・ナワリヌイ被告。ナワリヌイ被告は、国営の木材会社の資金を横領した罪に問われていて、ロシア中部キーロフの裁判所で８日、執行猶予つきの有罪判決を言い渡された。

　ナワリヌイ被告は、前回２０１２年の大統領選で大規模な反政府デモを率いるなど、プーチン政権批判の象徴的存在として知られている。来年春に予定されている大統領選への出馬を表明しているが、執行猶予中の立候補は禁止されていることから、出馬できない可能性が高まっている。

　ナワリヌイ被告は、「プーチン政権が我々の選挙活動を恐れているというメッセージだ。判決は受け入れられない」として、上訴する意向を示している。これを受けて、ＯＣＳＥ（＝ヨーロッパ安全保障協力機構）は、「個人を政治の場から追い出すために裁判所を利用した」と判決を批判する声明を出した。