【全文】国連総会で核兵器廃絶の決議案を採択 松野官房長官「大きな意義」官房長官会見(12/8午前)
松野官房長官は、8日午前の会見で、日本が提出した核兵器廃絶の決議案が国連総会で採択されたことを受け、「核兵器国である米国、英国およびフランスを含む様々な立場の国々の支持を得たことは、大きな意義がある」と述べました。
<会見トピックス>
▽核兵器廃絶決議案
▽“統一教会”被害者救済法案
▽ロシア領内の無人機による攻撃
会見の概要は以下の通りです。
○松野官房長官
冒頭発言はございません。
――日本提出の核兵器廃絶決議案について伺います。国連総会は7日核兵器禁止条約に初めて言及した日本提出の核兵器廃絶の決議案を147カ国の賛成で採択しました。核廃絶に向け今回の決議の意義について所見を伺います。また、被爆者などからは唯一の戦争被爆国として、日本に来年の核禁止条約第二回締約国会議へのオブザーバー参加を求める声もありますがこの点どのように考えるかについても合わせて伺います。
○松野官房長官
ニューヨーク時間7日国連総会本会議において、我が国が提出した核兵器のない世界に向けた共通のロードマップ構築のための取り組みと題する決議案が米国、英国およびフランスを含む147カ国の支持を得て採択されました。この決議案は、8月のNPT運用検討会議の議論を踏まえ我が国として核兵器のない世界を実現する上での現実的かつ実践的な取り組みの方向性を示す必要があるとの認識のもと同会議で岸田総理が提唱した広島アクションプランの内容を踏まえつつ、核兵器の不使用の継続や透明性の向上、被爆の実相への理解向上のための軍縮不拡散、教育の重要性など国際社会に呼びかけるものであります。
核軍縮をめぐる国際社会の分断が深まる中において、この決議案が核兵器国である米国、英国およびフランスを含む様々な立場の国々の支持を得て採択されたことは、大きな意義があります。核兵器禁止条約については核兵器のない世界への出口とも言える重要な条約です。しかし、現実を変えるためには核兵器国の協力が必要ですが、同条約には核兵器国は、一国も参加していません。
我が国として唯一の同盟国である米国との信頼関係を基礎としつつ、今週末に広島で開催予定の国際賢人会議も活用しながら来年のG7広島サミットも念頭に広島アクションプランに沿って現実的、かつ、実践的な取り組みを進めていく考えであります。
――旧統一教会の被害者救済を図る新たな法案について伺います。立憲民主党は寄付の勧誘を行う法人などに生かす配慮義務について、与党側との調整で十分配慮という文言に修正することで一致しまして、立憲も含め多くの会派の賛成のもとで、会期内成立する見通しとなりました。受け止めと、法案の実効性についての見解、今後の政府対応について改めてお聞きします。
○松野官房長官
これまでも申し上げている通り、国会の運営に関することについて政府としてお答えする立場にありませんが、ご指摘の新法案は現在の我が国の法体系の中で許される限り、最大限実効的な法案とすべく様々な規定を組み合わせて立法作業を行っており、実効的なものになったと考えています。政府としては引き続き与野党からの様々なご意見も伺いつつ、国会審議に誠実に対応することで、本法案の早期成立に向けて全力を尽くしてまいりたいと考えております。
――ウクライナ情勢について伺います。ロシアの南西部の軍事関連施設で5日以降、相次いでドローンによる攻撃が発生しました。ウクライナ側が関与を認めたとの報道もあります。ロシアがウクライナ側の攻撃と判断し、戦闘がさらにエスカレーションするのではないかとの懸念が国際社会で強まっていますが、政府としての受け止め、見解をお願いします。
○松野官房長官
12月5日、ロシア国防省はウクライナ政府が無人機によりロシア領内の軍用飛行場2カ所への空爆を試みた旨、また、ウクライナの防衛関連施設や、通信エネルギー施設等に対して、大規模なミサイル攻撃を実施した旨、発表したと承知をしています。ご指摘のエスカレーションの懸念を含め、今後の戦局については、さまざまな情報、見解があり、今後の見通しなどについて、予断をもってお答えすることは差し控えたいと思いますが、我が国として引き続き状況を注視していく考えであります。