【全文】消費税率の引き上げ「当面触れることは考えていない」官房長官会見(1/6午前)
松野官房長官は、6日午前の会見で、子ども予算の倍増のために、消費税の増税により財源を賄うことに否定的な考えを示しました。「恒久的な施策には恒久的な財源が必要」としながらも「当面触れることは考えていない」と述べました。
<会見トピックス>
▽閣議の概要
▽岸田首相のウクライナ訪問
▽岸田首相G7各国への歴訪
▽甘利前幹事長の消費増税発言
▽ウクライナ情勢
○松野官房長官
閣議の概要について申し上げます。一般案件1件、政令、人事が決定されました。大臣発言として、外務大臣臨時代理である私からハイチにおけるコレラの感染拡大に対する緊急無償資金協力について申し上げ、小倉大臣および国家公安委員会委員長から、交通安全対策の推進について。岸田総理大臣から海外出張不在中の臨時代理等について、それぞれご発言がありました。私からは以上です。
――岸田総理のウクライナ訪問について伺う。ウクライナ大統領府長官は松田大使と会談し、大統領の意向として、岸田総理のウクライナ訪問を要請したと明らかにしました。どのようなやり取りがあったのか。G7議長国日本の総理の訪問の意義、今後の検討方針を伺います。
○松野官房長官
1月4日、松田駐ウクライナ大使がイェルマークウクライナ大統領府長官と会談した際に同長官から岸田総理のウクライナ訪問について招待がありました。我が国は祖国を守ろうと懸命に行動するウクライナの国民と共にあります。
そのような中で、対露制裁とウクライナ支援を強力に推進しつつ、ウクライナ政府をはじめ G7や同志国との間でも緊密に連携して対応してきています。
両首脳間においても、これまで累次にわたる首脳電話会談を通して緊密に意思疎通を行ってきています。
本年はG7議長国であることも踏まえつつ、引き続き日本として適切な形で対応していく考えであります。
――関連で、岸田総理のG7各国への歴訪について伺います。岸田総理は9日からG7各国を歴訪します。5月の広島サミットの成功に向け今回の歴訪を通じて どういった連携を確認する方針でしょうか。また、今年はG7の議長国として重要な舵取りを担う1年になります。ウクライナ支援などどのような外交方針で臨んでいく考えなのか、政府の外交方針についてもあわせて伺います。
○松野官房長官
諸般の事情が許せば、岸田総理は1月9日からフランス、イタリア、英国、カナダ、そして米国を訪問し、各国首脳との会談を行う予定であります。今回の岸田総理によるG7各国訪問では、G7広島サミットに向けた議長国としての考え方を説明するとともに、世界がロシアによるウクライナ侵略、大量破壊兵器の使用リスクの高まりなど未曾有の危機に直面する中で、広島サミットにおいて法の支配に基づく国際秩序を守り抜くというG7のビジョンや決意を示していくことを確認したいと考えております。また、エネルギー・食料安全保障を含む世界経済、核軍縮・不拡散、経済安全保障、また、気候変動、保健、開発といった地球規模の課題などについて、G7が結束して取り組んでいくことを確認する考えであります。ロシアによるウクライナ侵略に対しては、これまでもG7は結束して対応してきました。我が国としては、G7議長国としてこれまで以上にG7をはじめとする国際社会と緊密に連携し、対露制裁およびウクライナ支援を引き続き強力に推進していきます。
――自民党税調幹部の甘利前幹事長は今後の少子化対策を進める財源について将来的な消費税の引き上げも検討の対象になるという認識を示しました。受け止めを。
○松野官房長官
ご指摘の発言については承知しています。政府としては少子化の問題はこれ以上放置できない待ったなしの課題であり、経済的支援の強化、全ての子育て家庭を対象としたサービスの拡充、働き方改革の推進とそれを支える制度の充実という基本的な方向性のもと、まずは子ども政策として充実させる内容について、具体化していく考えであります。
その上で、恒久的な施策には恒久的な財源が必要であり、その歳出の内容に応じて、様々な工夫をしながら、社会全体での負担のあり方について、幅広く検討を進めていくことが必要と考えていますが、消費税についてはこれまでも総理が述べられているとおり、社会保障の財源として、今後も重要な役割を果たすべきものでありますけれども、当面触れることは考えていません。
――ウクライナ情勢について伺う。ロシア大統領府は、プーチン大統領が6日から7日の36時間は停戦するよう命じたと発表した。 アメリカなどからは、懐疑的な見方も出ているが、政府としての見解とロシアに求めることをお聞きする。
○松野官房長官
1月5日、プーチン大統領はロシア正教のクリスマスに合わせ、1月6日12時から1月7日24時までウクライナにおけるすべての戦線で停戦体制を導入するよう国防大臣に指示したと承知しています。これに対し、ウクライナ政府は1月5日に発表したゼレンスキー大統領のビデオメッセージにおいて、より早期に戦争を終結させるためには、クレムリンの休戦提案は全く必要とされていないと述べて、ロシア側の提案を拒絶していると認識しています。いずれにせよ、一刻も早くロシアが侵略を止め、ウクライナから部隊を撤退させるため、国際社会が連携してロシアに対して断固とした措置を取っていくことが重要であります。我が国として引き続き、今後の状況を注視しつつ、G7等と連携し、適切に取り組んでいきたいと考えております。