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【全文】北ミサイル「偵察衛星試験の可能性」 松野官房長官(12/19午前)

2022年12月19日 14:22
 【全文】北ミサイル「偵察衛星試験の可能性」 松野官房長官(12/19午前)

松野官房長官は、19日午前の会見で、昨日、北朝鮮が発射した2発の弾道ミサイルについて「偵察衛星に関する何らかの試験であった可能性や、今後も関連の試験等進めていく可能性はある」との見解を示しました。

<会見トピックス>
▽北朝鮮ミサイル
▽世論調査
▽政府と日銀の共同声明
▽薗浦健太郎議員
▽社会福祉法人施設で知的障害者に不妊処置

○松野官房長官
冒頭発言はございません。

――北朝鮮のミサイルについて伺います。朝鮮労働党機関紙は偵察衛星開発のための最終段階の実験を行ったと伝え、昨日発射されたミサイルを指すものとみられているが、最新の分析をお聞きします。また機関紙は、国家宇宙開発局が来年4月までに軍事偵察衛星1号機の準備を終えると発表したとも伝えているが、政府見解と今後の対応を伺います。

○松野官房長官
昨日11時台に北朝鮮が発射した2発の弾道ミサイルについては、昨日、防衛省から発表した内容に加え、その後の分析の結果として、発射場所については、2発とも北朝鮮西岸付近のトンチャンリ一帯であったと考えています。これ以上の詳細につきましては、引き続き防衛省において分析中であります。
また、本日の北朝鮮の発表で、偵察衛星への言及があったことは承知しております。北朝鮮は2021年1月の党大会において、軍事偵察衛星の運用実現を目標に掲げ、その後、本年2月および3月に、偵察衛星開発のための試験を実施した旨を発表しており、昨日の発射が偵察衛星に関する何らかの試験であった可能性や、今後も関連の試験等進めていく可能性はあると考えています。
政府としては北朝鮮の軍事動向について、引き続き、米国、韓国等とも緊密に連携しながら、必要な情報の収集分析および警戒監視に全力を掲げ、我が国の平和と安全の確保に万全を期してまいる考えであります。

――世論調査について伺います。週末の弊社の調査で防衛力強化を巡り、反撃能力の保有は賛成が反対を上回ったものの、増税不支持が64.9%、増税に関する岸田総理の説明が不十分との回答が87.1%に上りました。この結果の受け止めと、今後増税の必要性についてどのように国民に理解を得ていく考えか、伺います。

○松野官房長官
一般論として申し上げれば、世論調査に表れた国民の皆様の声を真摯に受け止め、政府としての対応にいかしていくことが重要であると考えています。防衛力強化の財源については、まずは歳出改革、決算剰余金、税外収入の活用などあらゆる努力を行った上で、残りの約1兆円強について、税制での措置をお願いし、与党の税制調査会においても精力的にご議論をいただき取りまとめられたものであります。国民の皆様の平和で豊かな暮らしを守るために、また、私達の世代が未来の世代に責任を果たすためにご協力をお願いしたいと考えており、引き続き国民の皆様に今回の税制措置の目的、内容を丁寧にご説明するよう努めてまいりたいと考えております。

――政府と日銀の共同声明について。岸田政権が共同声明を改定する方針を固めたとの報道があるが、事実か。また共同声明の物価目標の達成時期の文言を変更する必要があると考えるか。

○松野官房長官
報道については承知をしておりますが、そのような方針を固めた事実はありません。政府としては共同声明に沿って、物価安定のもとでの持続的経済成長に向けて、引き続き日銀と連携しながら取り組んで参りたいと考えております。
日銀には引き続き政府との連携のもと、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、物価安定目標の持続的安定的な実現に向けて努力されることを期待します。

――自民党の薗浦衆院議員の事務所が政治資金パーティーの過少記載をしていたとされる問題で、議員辞職する意向と弊社などが報じている。受け止めと政権運営に与える影響と今後の対応は。

○松野官房長官
ご指摘の報道は承知していますが、政府として予断を持ってお答えすることは差し控えさせて頂きたいと思います。その上で、申し上げると政治活動に関わる事柄については政治としての責任において適切に説明することが重要であると考えています。

――北海道江差町の社会福祉法人が運営するグループホームで、知的障害がある男女の同居や結婚を認める際に不妊処置を20年以上前から条件として求めていたことが判明しました。処置を拒否した人が退去した例もあり、障害者の産む権利を軽視した対応と言えますが、政府として事案をいつどのような形で把握し、今後の対応をどうする考えでしょうか。また、同様の事案は全国の障害者施設等で確認されていますでしょうか。

○松野官房長官
今回報道された事案については、厚生労働省から所管する北海道庁に対して事実関係の確認を求めているところであります。一般論として申し上げると仮にグループホーム利用者が結婚等希望する場合に、本人の意に反して、不妊手術や避妊用器具を用いる受胎調節等を条件とすることがあれば、不適切であると考えています。いずれにしても、政府としては事実関係を確認した上で、北海道庁に対する助言等、必要な対応を講じていく考えであります。詳細につきましては、厚生労働省にお問い合わせをいただきたいと思います。