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「参院選挙制度改革」を小栗解説委員に聞く

2015年5月21日 17:40
「参院選挙制度改革」を小栗解説委員に聞く

 私たちの選挙に関わる大事な話が国会で行き詰まっている。参議院で21日、選挙制度改革の協議が行われたが、進展はなかった。政治部・小栗泉解説委員に聞く。

 Q:なぜ今、選挙制度を見直すのか?

 最高裁判所が2013年の参議院選挙について、「憲法違反の状態」と判断したため。理由は「一票の格差」で、これは、国会議員1人あたりの有権者数が多い選挙区と少ない選挙区では票の価値に違いが出てしまう問題だ。

 例えばA区では、有権者50万人が1人の国会議員を選ぶとすると、この人の票の価値は50万分の1。しかし、B区では有権者20万人で1人を選ぶとすると、1票の価値は20万分の1となり、B区の方が票の価値が重い、という差が出てしまう。

 こうした「一票の格差」が、2013年の参院選では最大で「4.77倍」あった。そこで、今国会で法律を改正し、来年夏に行われる参院選は格差を是正して行おうとなった。

 そして21日、ようやく各党の案が出そろうはずだったのだが、第一党・自民党は党の正式な具体案を示さなかった。ただ、有力な案として「6増6減」を例示した。これは、有権者が少ない3つの選挙区で定員を2減らす、そして、有権者が多い3つの選挙区では定員を2増やすというもの。ただし、この案だと「一票の格差」は違憲状態とされた「4.77」倍から「4.31倍」にしか減らないため、他党からは「不誠実だ」などと批判が相次いだ。

 Q:一票の格差を是正するいい方法はないのか?

 実は自民党では一時、抜本的な改革案も練られていた。それが「合区」で、2つの選挙区をまとめて1つの区にしてしまうもの。今は都道府県ごとに1つは選挙区を割り振っていたが、それをあきらめて、仮に10の選挙区を5つに合区。これだと、「一票の格差」は違憲状態とされた「4.77倍」から「2.48倍」に減るとみられていた。

 Q:ずいぶん是正されるが、なぜ、この案ではダメなのか?

 自民党は、都道府県ごとに参議院議員がいなくていいのか、地方の声が届かなくなる、という理由を挙げている。ただ、本当のところは「合区」される可能性がある議員の反発が相当強く、まとまらなかった、ということのようだ。

 来年の参議院選挙を新たな区割りで行うためには、来月の中旬には改革案をまとめないと手続きが間に合わないそうだが、その道筋は、まだまったく見えていない。参議院議員として、自分たちがどういう民意を代表する立場だととらえ、選挙で選ばれるということの意味をどう考えているのか、危機感のない議論では、参議院そのものの価値を問われることにもなりかねない。