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【全文】ミャンマーで拘束の久保田氏「健康状態は特に問題ない」松野官房長官(10/26午後)

2022年10月26日 19:35
【全文】ミャンマーで拘束の久保田氏「健康状態は特に問題ない」松野官房長官(10/26午後)

ミャンマーで拘束され、禁錮10年の判決が出された久保田徹氏の健康状態について、松野官房長官は、26日午後の会見で「駐ミャンマー大使が久保田氏本人と電話で話し、特に問題はないことを確認している」と述べました。

<会見トピックス>
▽ミャンマー邦人拘束
▽寺田総務相の政治資金問題
▽岸田首相とキッシンジャー元国務長官との面会
▽大串デジタル副大臣と"統一教会"の関係
▽総合経済対策
▽外為特会
▽自殺防止対策

会見の概要は以下の通りです。

○松野官房長官
冒頭発言はございません。

――ミャンマーで拘束されているジャーナリストの久保田徹さんについて伺います。あわせて10年の刑期が言い渡され、拘束の長期化が懸念される中、国際的な人権団体の担当者などがきょう記者会見を行って解放を求めました。政府としての見解と今後の対応、久保田さんの健康状態に問題ないかを伺います。

○松野官房長官
ミャンマーで拘束されている久保田徹氏に対しては、3件のミャンマー国内法違反により、合わせて禁錮10年の判決が出されたと承知しています。政府はこれまでミャンマー当局に対し、久保田氏の早期解放を強く働きかけてきており、今後も粘り強く働きかけを継続をしていきます。また、邦人保護の観点から、久保田氏に対する領事面会や、ご家族との連絡等の支援をきめ細かく行ってきており、今後もできる限りの支援を続けていく考えであります。久保田氏の健康状態については、本日、丸山駐ミャンマー大使が、久保田氏本人と電話で話しており、特に問題はないことを確認しています。

――寺田総務大臣の政治資金問題について伺います。寺田総務大臣は関係する政治団体に関し、死亡した会計責任者の名前と捺印で政治資金収支報告書を提出していたとして、きょう陳謝しました。これとは別の二つの政治団体の事務所の賃料を巡っては、神戸学院大の上脇教授らが寺田氏らを政治資金規正法違反の疑いで東京地検に告発しました。一連の疑惑を踏まえ、政治資金を司る総務大臣の職務を続けることが適切と考えでしょうか。ご所見を伺います。

○松野官房長官
ご指摘の点については承知をしています。政治資金に関して指摘されている事項については、寺田大臣より説明を行ってきているところであり、引き続き政治家としての責任において適切に説明することが重要であると考えています。

――キッシンジャー元国務長官と総理との面会について。米国のキッシンジャー元国務長官が本日午後、岸田総理宛てで首相官邸を訪れた。岸田総理と国際情勢などを巡りどのようなやりとりがあったのか、それについて教えてください。

○松野官房長官
本日14時過ぎ、岸田総理は訪日中のキッシンジャー元米国務長官と面会し、国際情勢について一般的な意見交換を行ったと承知をしています。

――政府が取りまとめている総合経済対策について伺います。電気料金は家庭負担の2割を軽減すること、またガソリン補助金については来年度まで継続するとのことですが、その理由と狙いをお聞かせください。また今回の経済対策では、エネルギー分野以外でも様々な対策を検討していると思いますが、改めて今回の経済対策全体ではどのような点に力を入れる考えでしょうか。

○松野官房長官
総合経済対策の具体的な内容については決まっていませんが、ご指摘の電気料金については、来年春以降の急激な電気料金の上昇によって影響を受ける家計や企業の負担を軽減するため、毎月の電気料金の請求において、直接的かつ実感できる形での電気料金の負担軽減策を講じていく考えであります。また、ガソリンについては、今年5月以降、価格上昇を抑えてきましたが、足元の状況を踏まえて来年1月以降も、燃料油価格激変緩和対策について補助上限を調整しつつ、引き続き実施していく考えであります。今回の総合経済対策全体としては、電気料金負担の激変緩和措置を含め、足元の物価高騰など経済情勢の変化に切れ目なく対応し、新しい資本主義の加速により、日本経済を再生するため、物価高や円安への対応、構造的な賃上げ、成長のための投資と改革を重点分野とした総合的な対策としてまいりたいと考えております。

――大串デジタル副大臣の旧統一教会の関連団体の推薦確認書への署名について伺います。午前の委員会での副大臣の答弁を踏まえて、改めて副大臣から報告を求めたり、政府として政務3役への聞き取り調査をするなどなんらかの対応を取らないのか。副大臣は消費者庁を担当し、旧統一教会を巡る被害者救済についても携わっているが、被害者や関係者に不信感を与えるのではないか。政府の任命責任もあわせてお尋ねします。

○松野官房長官
これまでもお答えしている通り、政府における旧統一教会との関係については、各閣僚等それぞれが点検をし、旧統一教会との過去の関係を調査、説明し、新たな接点が判明した場合には、その都度、追加的に報告、説明を行い、今後は関係を持たないことを徹底することとしているところであります。引き続き、この方針に沿って適切に説明することが重要であると考えています。任命責任については私からお答えする立場にありません。

――為替介入の原資となる外国為替資金特別会計、いわゆる外為特会について伺う。外為特会と日銀が保有する外貨準備高は年々資産残高が増えている。他国と比べて非常に高い水準となっているが、その理由についてお尋ねいたします。

○松野官房長官
我が国の外貨準備は外国為替市場の安定を目的に、将来の為替介入等に備えて保有しているものでありますが、その適正な規模について国際的に統一された見方があるわけではないものと承知をしています。
一般論として申し上げれば、非常に急激かつ過度な変動が生じた場合に、自国通貨を買い支えるために十分な額の外貨準備を保有しておくことは重要であると考えています。

――若者らの自殺防止対策として厚生労働省が実施しております交流サイトSNSでの相談事業の利用が開始から3年連続で増加しており、2021年度は前年のおよそ5倍の約25万9800件に達しています。対応が追い付かない、返信が追いつかないとの相談窓口の声も伝えられています。相談者が急激に増加した状況についてどう分析されているのか。また、2018年に厚生労働省が民間団体に事業費を補助する形で始まったと思いますが、事業規模の拡大など、今後の対応について教えてください。

○松野官房長官
厚生労働省において自殺防止を目的に、平成30年3月から民間団体と連携して SNSを活用した相談事業を開始をしています。令和2年度から3年度にかけて、その相談対応件数が非常に増えていますが、これは新型コロナウイルスの感染拡大による環境変化等が影響した可能性があると考えています。このため、政府としては、24時間の相談体制の構築や相談員の増加など、相談体制の充実を図ってきたところであります。引き続き様々な悩みを抱えた方からの相談に対応できるよう相談窓口の周知を図るとともに、地方自治体や民間団体と連携し、自殺防止に取り組んでまいりたいと考えております。