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“値上げの春”に家賃値下げ 都心の一等地・麹町の議員宿舎 月9万円以下に

2023年4月3日 22:46
“値上げの春”に家賃値下げ 都心の一等地・麹町の議員宿舎 月9万円以下に

4月になりマヨネーズなどの調味料やヨーグルトなどの食品がまた値上げされます。多くのモノが値上がりする中、都心の一等地に建つ国会議員の宿舎の家賃が値下げされます。

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4月を迎え、新たな生活に多くの人が心躍る中、スーパーから聞こえてきたのは…

主婦
「今日(値段)見てびっくり。知らないうちに少しずつ上がってきている」

主婦
「お財布から出る金額は2割くらいはアップしているかなと。(買うものは)セールを狙います」

思わずため息を漏らすほど続く値上げ。4月からマヨネーズなどの調味料や焼きそば、ヨーグルトなどの乳製品など、5100品目を超える食品が値上げとなりました。

5月以降も4000品目近くが値上げを予定していて、昨年に続き、今年も迎えた値上げの春。

スーパー・マルセイ 牧田一真取締役
「特売の時は、ほとんど利益がでなくても、お客さんに喜んでもらうように。(食品以外にも)電気代とかいろいろ上がっているので、そこの部分でどう頑張っていくのかと」

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生活に必要なさまざまなものが値上がりする一方、値下がりするモノもありました。

皇居にほど近い都心の一等地、麹町。麹町駅からも徒歩2分ほど、国会議事堂にも歩いて通える建物の家賃が値下がりするのです。参院議員の宿舎です。

値下げされるのは南棟の家賃だといいます。住んでいる議員に室内を見せてもらいました。

日本維新の会 東徹参院議員
「どうぞ、どうぞ。入ってください」

記者
「けっこうキレイですね」

2LDKの75平方メートルで、駐車場も無料です。風呂、トイレも別で、エアコンも設置されています。そして、現在の家賃は3月からおよそ2500円値下げされ、なんと8万9642円です。(3月まで9万2210円 4月から8万9642円)

日本維新の会 東徹参院議員
「一等地で家賃が9万2000円ということ自体が非常に安すぎる中で、さらに引き下げる必要性ありますかっていうことですよね」

では、通常の相場で家賃はいくらになるのでしょうか? 麹町の不動産店に話を聞きました。

アクセルホーム千代田麹町店 清水利洋係長
「予算的には40万円前後で探される方が多いです。相場が高いエリアになりますので」

麹町周辺の2LDKの家賃は40万円前後で、最低でも25万円以上といいます。駐車場代も4万円以上するといいます。また、一般的な賃貸物件の場合、何かが破損しているなど悪条件がない限り、数千円の値下げはないということです。

では、なぜ“議員宿舎の家賃”は値下がりしたのでしょうか?

この宿舎の築年数はおよそ25年です。国家公務員宿舎法に準じて、建設から20年が過ぎると経年劣化が考慮され、5年ごとに家賃が見直されるといいます。

値下げを決めたのは、与野党が参加する国会の小委員会です。相場とそぐわないとの意見もでたといいますが、賛成多数で値下げが決まったということです。

自民党議員からは「周辺に見合った形というのは必要かもしれません。一方で、地方の選挙区で家を別に持っている人にとってはローンと二重になるので厳しい」

議員宿舎の値下げについて、街の人に聞きました。

30代主婦
「世の中がみんな値下がりするならわかるんですけど、何でそこだけ値下がりするのかなっていう疑問は残りますよね」

20代会社員
「もうちょっと払ってもいいんじゃないかなって」

20代会社員
「議員さんも大変なんでしょうけど」

地方選出の議員が住まいの心配をせずに活動できることが必要だとの声もあがっていますが、まずは、国民の理解を得られるようにする必要がありそうです。

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