男性の74.8%……賃金格差の裏に“無意識な差別” 「女性は仕事できない」「家事を」中学の授業も影響?【#みんなのギモン】
小林解説委員
「さらに原教授は、興味深い研究をされています。中学生の頃を思い出してほしいんですが、技術と家庭科の授業は、男女一緒に受けていましたか?」
忽滑谷アナウンサー
「私は女子校でしたが、技術の授業をやった記憶はあまりないかもしれません」
鈴江アナウンサー
「私も女子校であまり記憶がないですね」
森アナウンサー
「家庭科もやっていましたが、男子はちょっとだけ。調理実習しかやらなくて、ほとんど技術をやっていた記憶があります。男女分かれていました」
桐谷キャスター
「私は共学だったんですけど、男女ともに家庭科も技術も同じようにやっていました」
鈴江アナウンサー
「年代で違うのかな?」
森アナウンサー
「年代の差なんですか?」
小林解説委員
「日本では1977年度生まれの人たちから、技術と家庭は男女一緒に学ぶことになったんですが、それ以前は主に技術は男子、家庭は女子と分かれていました」
「そこで注目すべき点があります。原教授の研究では1977年度生まれ以降の男性は、成人した後に週末の家事や育児の時間が長くなった、そして女性は正社員で働く人の割合が増え、働く女性の年収が約21万円増えたことが分かりました」
森アナウンサー
「私は1978年生まれなので、まさにその境です」
小林解説委員
「明確な変化があったといいます。原教授によると、中学校では技術・家庭を男女で分けていたことは伝統的な役割分担、つまり性別で社会での役割が違うと教えてしまっていたことが分かりました」
「逆に言えば、教育や社会の制度を変えれば、女性に対する意識も変わり、男性女性ともに行動が変わるということです」
鈴江アナウンサー
「教育の中で無意識の思い込みが生まれていたとも言えますよね」
小林解説委員
「では、今の日本社会の仕組みのどの辺りを変えていく必要があるのでしょうか。政府のプロジェクトチームが初めて公表したのが、女性の働き方によって家庭の生涯所得にどのくらい差がつくのかという試算です」
「この試算によると、夫婦と子ども2人の4人家族で、女性が出産後に職場に戻り、正社員として定年まで働いた場合、全く再就職をしなかったケースに比べて生活などで使えるお金が約1億6700万円という大きな差がつくことが分かりました」
「再就職した場合でも、パートなど短時間で非正規で働く場合は同じく1億円以上の差がつきます。ただ月々の給与に加え、退職金や年金によって大きな差がつくということです」
「もちろん、家事や育児に専念したい人やそういう時期があることは尊重すべきですが、こういうデータもあるということです」
忽滑谷アナウンサー
「かなり大きな額ですよね。社会全体、職場全体で復帰のサポートをしていくのが必要ですよね」