男性の74.8%……賃金格差の裏に“無意識な差別” 「女性は仕事できない」「家事を」中学の授業も影響?【#みんなのギモン】
小林解説委員
「私たちが向き合わなければならない現実があります。5日に岸田首相に提出された、政府の男女賃金格差プロジェクトチームの中間とりまとめによると、男性を100%とした時、日本の女性の賃金は74.8%となっています」
「世界と比べるとどうでしょうか。OECDのまとめによると、上位は北欧諸国やニュージーランドなどで、男性の9割を超えています。イタリアやドイツ、アメリカでも8割を超えています。それに比べると日本や韓国は、まだまだ格差が大きいことが分かります」
忽滑谷こころアナウンサー
「今も世界中で、この格差をなくしていこうという動きがある中で、日本がここまで低いのはどうしてなんですか?」
小林解説委員
「今回のとりまとめによると、中小企業よりも大企業の方が格差が大きい傾向にあるといいます」
「管理職の女性比率について、有価証券報告書(2023年3月)によるとメガバンク3社では三菱 UFJ 銀行が25.2%、三井住友銀行が23.7%、みずほ銀行が18.7%と、軒並み20%前後とかなり低いですよね」
「このような管理職の比率や勤続年数の差、女性の活躍を阻む『無意識の思い込み』が根深くあり、それが男女の賃金格差につながっているといいます」
森アナウンサー
「管理職の比率を見ても、男性が多いということは、意思決定者は男性が多いということにもつながります。『無意識の思い込み』とはどういうことですか?」
小林解説委員
「明治大学の原ひろみ教授(労働経済学)の分析によると、男女の格差は『説明できる格差』と『説明できない格差』に大きく分けられます」
「説明できる格差とは、主に仕事の知識やスキル。つまり学歴や勤務年数などで、これが理由で賃金に差がつくのはある意味仕方がない部分がありますよね」
「一方で、格差の半分以上が説明できないものだといいます。『女性はあまり仕事ができないだろう』とか『女性は家で家事をするべき』といった無意識な差別で、男性と同じスキルや知識の女性でも、男性と賃金の差がついていることが分かったといいます」
鈴江アナウンサー
「半分以上ということは、説明できない格差の方がむしろ大きいということですね」