「歴史は生きているし繋がっている」雲谷等顔の絵画か 新たに県の有形文化財に指定 山口県
雪舟の後継者として水墨画を極めた雲谷等顔(うんこくとうがん)が描いたとみられる、県内でも珍しい桃山時代の絵画などが県の有形文化財に新たに指定されることになりました。
新たに県の有形文化財に指定されることになったのは山口市の洞春寺が所有する肖像画「絹本着色嘯岳鼎虎像」(けんぽん・ちゃくしょく・しょうがくていこ・ぞう)と、山口市の志多里八幡宮が所有する歴史資料「志多里八幡宮棟札類付 納箱」(したりはちまんぐう・むなふだるい・つけたり・おさめばこ)です。
肖像画は県内でも珍しい桃山時代の作品で、描かれている禅僧の嘯岳鼎虎は、毛利元就の葬儀を総括し、のちに洞春寺の開山に迎えられました。
絵画には落款などがなく作者はわからないものの、顔の輪郭の線をぼかすように描くことや両小鼻を描く特徴などから、雪舟の後継者として水墨画を極めた雲谷等顔が描いた可能性が高いということです。
洞春寺住職
「嘯岳鼎虎の意思を継げる人材を育てることが一番。こういう絵を描いてもらえるよう頑張っていきたいと思います。」
また「棟札」とは建物の建築を記念して奉納された木の板で、志多里八幡宮が所有する棟札には南北朝時代の「観応3年」と記されています。県が把握している限りでは県内で最も古いものであることなどから、極めて貴重だということです。
志多里八幡宮宮司
「歴史は生きているし繋がっているし、それを次の世代に繋げるためにも大事にしていかなくちゃいけないんだなと改めて感じた。」
また無形文化財「鷺流狂言」について、山口市の米本太郎さんが芸歴40年の豊富な経験と、学校での公演など無形文化財の担い手育成に尽力していることなどから、保持者に追加認定されることになりました。
米本太郎さん
「やるだけが伝承じゃなくて、見たり知ったり誰かに話すだけでも伝承の大きな役割だと思いますので、伝わるように活動していきたいと思っています。」
いずれも3月中の県報への告示により、正式に文化財に指定・追加認定されます。