×

国際医療NGO・ジャパンハートと高知県が大規模災害時の協定締結 南海トラフ地震への心構え 【高知】

2025年3月18日 9:18
国際医療NGO・ジャパンハートと高知県が大規模災害時の協定締結 南海トラフ地震への心構え 【高知】
国際医療NGOジャパンハート高知県は3月18日、大規模災害時の支援に関する協定を締結しました。締結式には高知市出身の職員も出席。ジャパンハートでの活動や、きたる南海トラフ地震への心構えについて聞きました。

18日に県庁で行われたジャパンハートと県の協定締結式は、南海トラフ地震など県内で大規模災害が発生した際に円滑な支援を行えるよう備えるものです。ジャパンハートは2004年に設立した日本発祥の国際医療NGOで、東南アジアを中心に無償の高度医療を含む治療を年間3万5000件行っていて、世界中に215人のスタッフが在籍しています。

今回の協定は南海トラフ地震を含む災害時に医師や看護師、調整員などを派遣し医療活動や公衆衛生などの支援活動のほか、傷病者や被災者の搬送支援などを行うためのもので、ジャパンハートが災害支援の協定を自治体と結ぶのは高知県が3例目です。

■吉岡春菜 理事長
「協定を結んで終わりというわけではなくて、日々の訓練とか特別なニーズがある方々が避難されたときにも、避難所で安心して暮らせるように。そういった備蓄の整理なんかも一緒に取り組ませてもらえたらいいかなと思う」

締結式に出席した高知市出身の高橋茉莉子さんは、2019年からジャパンハートに入り、現在は災害支援・対策セクションで部長を務めています。

Q.ジャパンハートってどんな団体?
■高橋茉莉子さん
「ミッションとしては『医療の届かないところに医療を届ける』という使命を掲げて活動している。医師・看護師がいない、保険制度のない東南アジアとか、 国内も含めて災害が発生したときの被災地で医療が届かなくなってしまったっていうようなところに対して、医療チームの派遣とか物資の支援を通じて医療を届けていくという活動をしている」

高橋さんは去年1月の能登半島地震の被災地支援にも、調整員として1月4日から約3か月半携わり、現地で2つの課題を感じたといいます。ひとつは能登半島への交通アクセスの悪さ。そこに液状化などによる道路状況の悪化が加わり、支援の妨げになったといいます。

さらに過疎化が進む地域ならではの課題もありました。

■高橋茉莉子さん
「もうひとつは高齢化率の高さ。避難所も元気な方から広域避難をどんどんしていく。介護者のいないお年寄りとか、自立しての生活が難しいような方々が(これまで経験した被災地と比べて)非常に多かった。避難所でも医療とか看護だけではなく、介護のニーズとかリハビリテーションの実施とか、そういった生活支援・サポートみたいなものは非常に今回(能登半島支援で)重要だったと思っている」

災害時に外から支援を届ける立場の高橋さんからみて、南海トラフ地震の減災には自助・共助がより重要になると感じるといいます。

Q.これから災害が起きると言われている高知県では何に備えていったらいい?
■高橋茉莉子さん
「まず第一に県民のみなさんの防災意識を高めていかないといけない。本当に南海トラフ規模の災害が起こったときに、(高知県は)陸の孤島と化すであろうと。外からの支援がどれだけ入ってこられるかというのは、かなり難しいんじゃないかと思っている。医療機関も1週間は助けがこないと思って対応していかなければならない。かつ他の大都市、名古屋とか大阪だったり京都だったりも含めて被災をすると考えると、外からの支援というのもどのぐらいのボリュームで入ってくるか分からないというのが実際のところかなと思う。ご自身の災害時の備えがどこまでできているか、というのがすごく大事になってくると思う。ご自身の自助と地域のコミュニティ全体での共助の取り組みというのがどこまでできるかということに、減災できるかどうかがすごくかかってくる。 県民のみなさんには高い意識をもって防災を進めてもらう必要がある」
最終更新日:2025年3月18日 9:18
おすすめ
24時間ライブ配信中
日テレNEWS24 24時間ライブ配信中
logo

24時間ライブ配信中