【鍛錬】岩手県警察白バイ隊員 27歳の「特別訓練員」 全国の頂点に挑む姿に密着
特集は運転技術を競う全国大会に向けて、日々訓練を続ける県警の白バイ隊員です。
その中でも、半年間現場を離れて技術を磨くことに専念する「特別訓練員」と呼ばれる人たちがいます。
目指すは全国の頂点、県大会に臨んだ「特別訓練員」の27歳の隊員に密着しました。
山口記者の取材です。
(バイク走り)
パイロンの間を巧みにすり抜け、バイクを自由自在に操るのは、県警交通機動隊の白バイ隊員。
そのなかでも、高い技術を持ち県内の白バイ隊員のなかでわずか4人しかいない警察官が「特別訓練員」です。
そのうち2人が10月、全国トップレベルの白バイ隊員が集結する大会に出場します。
その一人、県警交通機動隊の高橋佑太巡査長27歳です。
白バイ隊員歴は5年目。
全国大会の出場は2年連続です。
高橋佑太巡査長
「出場する部門で優勝することが目標。指導してくださった方々や先輩方に良い結果を報告できるように特別訓練員の先輩方から受け継いできた名に恥じぬ走りができるように頑張っていきたい」
7月6日、高橋さんは全国大会を前に盛岡市下田の運転免許試験場で開かれた「第54回県下白バイ安全運転競技大会」に出場しました。
岩手県警の白バイ隊員21人が参加し、日々の訓練で培われたスピードや運転技術を競います。
白バイ隊員たちは、山道や細い路地裏、雨の泥道などどんな状況であっても、対応できる運転技術が必要とされ、その技術などの向上を図ろうと大会が開かれています。
白バイ隊員たちは日々、交通指導や取り締まりにあたりますが、高橋さんのように「特別訓練員」に選ばれると、半年間は運転技術に特化した訓練のみに専念します。
指導する監督は…。
小原悠輔監督
「見ての通り真面目なんですよ。真面目に訓練にも取り組んでいて、真面目だから故に考えすぎると悩んでしまうタイプ」
高橋さんが最初に挑むのは、「バランス走行操縦」です。
バランス走行は、「走る」・「止まる」・「曲がる」の基本的な運転技能を競う競技で、並べられたマーカーを踏むなどのミスが減点の対象となります。
勢いよく飛び出し、最初の関門「8の字旋回」。
ここは、ミスなくクリアします。
続く「一本橋コース」では、幅30センチの板の上を慎重に進み、台の上に乗っていた時間を競います。
そして、2つ目の種目「傾斜走行操縦」、通称「スラローム」では現場での人や障害物を想定し、パイロンに当たらないようにコースを正確に、いかに速く走行するかを競います。
他の隊員たちがミスなく続々とゴールし、順番を待つ高橋さんは緊張の面持ちです。
いよいよ高橋さんの順番。
競技は1度きりの一発勝負です。
(見せる)
重さおよそ350キロの車体を自在に操ります。
急なカーブもスムーズに走り抜け、ゴールしました。
(見せる バイク降りた後)
高橋佑太さん
「スムーズに走ることを意識したが、少し力んでしまう 部分があった。速度を落とし過ぎてしまったり、 もったいないところが何ヵ所かあったので、修正点かなと思う」
そして運命の結果発表です。
「個人総合の部、第1部優勝県南分駐隊 菊地健斗選手」
優勝は、高橋さんが所属する交通機動隊の別の隊員でした。
走行中のわずかなミスが響き、高橋さんは惜しくも2位。
高橋佑太さん
「バランス競技では、少しミスが目立ってしまったので、全国大会も少しのミスが大きな減点につながってしまうので、残りの全国大会までの期間の中で、修正ポイントをしっかり修正して、大会で良い結果を残せるように訓練したい」
全国大会の出場は2回までと決まっていることから、ことしが最後の挑戦の高橋さんは、きょうも訓練に励みます。
ことしの全国大会は、10月に茨城県で開催されます。