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【箱根駅伝予選会】復活なるか 55秒届かなかった拓殖大(前回11位)・名門再建を真名子新監督に託した大東大(前回12位)

2022年10月12日 5:30
【箱根駅伝予選会】復活なるか 55秒届かなかった拓殖大(前回11位)・名門再建を真名子新監督に託した大東大(前回12位)
(左)拓殖大のラジニ選手(SportsPressJP/アフロ)・(右)大東大のワンジル選手(日刊スポーツ/アフロ)

◇第99回箱根駅伝予選会(10月15日、東京都立川市)

【拓殖大学】

箱根駅伝には戦前の第14回大会から出場。近年は90~97回大会まで8年連続で出場し、第94回、95回と初めて2年連続でシード権を獲得しました。第87回大会の7位が過去最高順位です。

■前回(第98回)予選会は?

前回予選会は、10位と55秒差で次点の11位に終わり、本戦への連続出場が「8」でストップしました。昨年度は全日本大学駅伝関東地区選考会で総合4位と前半戦は好調。留学生のジョセフ・ラジニ選手(当時3年)は10000mで学生記録(当時)を樹立し、箱根駅伝予選会エントリーの10000m上位10人の平均タイムは出場校中4番目と、通過が有力視されていました。

ラジニ選手は腰の痛みを抱えながら個人5位にまとめ、合田椋選手、桐山剛選手(ともに当時4年)はそれぞれ37位79位と二桁順位にまとめましたが、4番手以下が終盤にペースダウンし三桁順位と振るわず、予選敗退に終わりました。

■今シーズンここまで
「ゼロからの挑戦」をスローガンに掲げる今季ですが、6月の全日本大学駅伝関東地区選考会は、ラジニ選手(4年)の欠場が大きかった上に、1~3組を走った6選手が10000m31分超と振るいませんでした。主将の江口清洋選手(4年)も4組28着と、チーム全体で前半戦は不振だった模様です。恒例の阿蘇での夏合宿で走り込み、チームがどのような変貌を遂げたか・・・。4年生が主体のチームですが、下級生の奮起にも期待したいところです。

■注目選手
ジョセフ・ラジニ選手(4年)
1年時から三大駅伝に5回出場し、すべて区間5位以内と安定して好成績をあげています。箱根駅伝では1、2年と花の2区を任され、1年時には歴代5位タイとなる1時間6分18秒の区間2位で走りました。予選会でも、前々回に個人トップと活躍。今季の前半戦は試合に出ていませんが、万全であれば上位争いを繰り広げるでしょう。

江口清洋選手(4年)
今季の主将。2年時の箱根駅伝では8区13位。10000mはチームの日本選手で唯一28分台(28分49秒31)の記録を持っています。

工藤翼選手(4年)
2年時の箱根駅伝では10区13位と好走しました。スピードが持ち味。今季は全日本大学駅伝選考会で最終4組を任されました。

■予選会のポイント
前回はラジニ選手が個人5位ながらチームは11位。前々回の第97回予選会も、ラジニ選手が個人トップと大きな貯金を作りましたが、5番手以下が三桁順位で、チームは9位と下位での予選通過でした。ラジニ選手がタイムを稼ぐことは絶対条件ですが、チーム内で中位~下位の選手の奮起も欠かせません。もしもラジニ選手が本調子でなければ、ピンチとなるでしょう。




【大東文化大学】

箱根駅伝には第44回大会で初出場し、翌年からは24年連続でシード権を獲得。この間に2連覇を2回(51~52回、66~67回)成し遂げています。さらに1990年度には、出雲、全日本、箱根の大学駅伝三冠を史上初めて達成しました。
箱根の山で強さを見せ、"山の大東"の異名をとった時期もありました。しかし近年は低迷し、87回~88回は2年連続で、96回~98回は3年連続で予選会敗退。今年、4年ぶりの本戦出場を狙います。

■前回(第98回)予選会は?
去年の予選会は序盤から積極的にレースを進め、10kmで暫定2位、15kmの時点でも5位と上位につけていました。しかし留学生のピーター・ワンジル選手(当時1年)が失速してチーム内最下位でフィニッシュしたのをはじめ、終盤にペースダウンする選手が多く、最後は大きく順位を落とし12位でレースを終えました。それでも、96回18位、97回16位と予選通過に大きく届かなかった過去2大会に比べると、終盤までは大いに善戦したレース展開でした。

■今シーズンここまで
今年4月にOBの真名子圭氏が監督に就任しました。真名子氏は、低迷していた仙台育英高を立て直し、同校を再び全国の頂点に導いた実績があり、母校の再建にも期待が寄せられています。そして就任して早々、成果が表れています。仙台育英高時代の教え子でもあるワンジル選手(2年)は、1年時は力を発揮できず苦戦する場面もありましたが、恩師である真名子監督の指導で自信を取り戻し、今季は6年ぶりに5000mの自己ベストを更新するなど好調をキープしています。
さらに6月の全日本大学駅伝関東選考会では、10000m28分台の4年生3人(木山凌選手、谷口辰煕選手、倉田蓮選手)らを教育実習やケガで欠きながら、5位で5年ぶりに本大会出場を決めました。7月には久保田徹選手(3年)、大野陽人選手(4年)らが10000mで自己新記録をマークするなど、日本選手も好調。4年ぶりの箱根路に期待が高まっています。

■注目選手

久保田徹選手(3年)
昨年度は全日本大学駅伝に日本学連選抜の一員として出場しました。今季はエース格に成長し、全日本選考会では4組で日本選手2番手の6着と好走しました。7月の関東学生網走では10000mで28分29秒75の自己記録をマークしています。

大野陽人選手(4年)
前回の箱根駅伝では関東学生連合で8区を走りました。6月の全日本選考会では3組1着と好走。7月の網走記録会では10000mで28分35秒92の自己記録をマークしています。

ピーター・ワンジル選手(2年)
仙台育英高卒業後に実業団で競技を続け、昨年大東大に入学するも、1年目は不振でした。高校時代の恩師である真名子監督が就任した今季は5000mで6年ぶりに自己記録を打ち立て、全日本選考会では2組でトップフィニッシュと、力が戻ってきました。トップレベルの留学生に比べれば力は及びませんが、ハーフマラソン1時間2分2秒のタイムを持っており、予選会でもチームを引っ張る活躍が期待されています。

■予選会のポイント
持ちタイムではトップ10に入る金田龍心選手、井田春選手(ともに4年)がメンバーから外れたものの、直近のレースで好記録をマークした選手が順当にエントリーされています。全日本選考会を回避した木山選手、谷口選手、倉田選手ら4年生も無事に名を連ねました。主力には4年生が多いものの、2年生が6人もエントリーされており、今年だけでなく、今後に向けても楽しみな布陣となっています。

【第99回箱根駅伝予選会】
■日本テレビ地上波(関東地区ほか)生中継
10月15日(土)9:25~11:25 ※TVerでもライブ配信

■BS日テレ(録画放送)
10月15日(土)午後7時~午後9時

■日テレジータス特別編
10月21日(金)午後7時半~午後10時

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