“胸にZマーク”のロシア体操選手 同国体操連盟は「支持する」と声明
ロシア体操連盟(FSGR)は現地7日、胸に「Z」マークのシールを貼って種目別W杯に出場したロシアのイワン・クリアク選手(20)に対し、公式HPで「支持する」との声明を発表しました。
ことの発端は、カタールのドーハで行われた種目別W杯です。クリアク選手は胸に「Z」マークのシールを貼って演技し3位入賞。優勝はウクライナのイリア・コフトゥン選手で、表彰台に2人はそろって登壇。ウクライナへの侵攻を続けるロシア、その両国の選手が表彰台で一緒になったのです。
クリアク選手は、胸にZマークの体操着のままコフトゥン選手の隣で撮影に応じ、国際体操連盟(FIG)は一連の行為に対し、「衝撃的な行動」として非難。体操倫理財団へ懲戒手続きを開始するよう要請したと発表しました。
この「Z」のマークについて、FSGRは「文字のZは、『勝利のために』と『タスクが完了する』という言葉を表しています。多くのロシアの都市では、愛国的なフラッシュモブとして使われる」とした上で、「ウクライナでの特殊作戦でも使用されている」と説明。
クリアク選手本人の使用意図は説明されていませんが、ロシアのウクライナ侵攻を支持する“政治的”なメッセージとして使用された可能性が高いとみられます。
FIGへのルール違反があったことは認めつつも、「イワン選手から説明などをする意思はなく、(連盟として)どんな場合でも彼を支持する」としたFSGR。
FIGはロシアに対して、4日に「ロシアとベラルーシの選手は7日から国際大会には出場できない」と発表していましたが、この処分が適用される前に起きた今回の“胸のZマーク”問題。クリアク選手の処分をはじめ、今後のスポーツ界へ与える影響は計り知れません。