第99回箱根駅伝で2大会ぶり8回目の総合優勝を果たし、史上5校目の大学駅伝三冠を達成した駒澤大学。選手寮の寮母を務める大八木弘明監督の妻・京子さんは、チームのキャプテン・山野力選手にレース前手紙でメッセージを送っていました。

往路で19大会ぶりに優勝し、復路でも快走を続けた駒澤大学。トップのまま9区、4年生の山野主将に襷(たすき)が渡されます。

14キロ過ぎ、横浜駅前付近の沿道に姿を見せたのは、大八木監督の妻・京子さん。選手寮の寮母として、28年にわたって選手たちをサポート。「沿道で応援して結果が良かったら最高なので」と、28年間で初めて沿道での応援に駆けつけました。

その京子さんからレース前、山野選手に送った1通の手紙。

「明日の箱根駅伝 大学でチームとして走る最後の駅伝。4年間の思いを悔いのないように走ってきて下さい。

この2年位で本当にたのもしくなった山野の走りを見れる喜び、でも同時にもうこれで駒大山野の姿を見れなくなる淋しさもたくさんあります。

山野にとって最後の箱根駅伝はおそらく監督、私にとっての最後の駅伝となると思います。山野達の勇姿をぜったい忘れない様に心に焼きつけます。最後に最高の風景　絶対一緒に見ようね！」

今回で大八木監督の勇退とともに、京子さんも寮母から退きます。夏に大八木監督から退任の意思を伝えられていたという山野選手へ、京子さんからも激励の言葉が寄せられていました。

快走を見せる山野選手は、京子さんに見守られながら通過。

「山野！山野！山野ガンバレ！」

声援を送る京子さんに気づいたのか、山野選手は笑顔。京子さんは「気がついていたんじゃないかな、笑っていたような気がします」とうれしそうに話しました。

山野選手も大八木監督、京子さんへの感謝の気持ちを持って、最後の箱根駅伝を走りました。

「手紙に、奥さん自身も最後のみんなを支える箱根駅伝になると書いてあったので、なんとしても監督のためにも奥さんのためにも、しっかり優勝したいという思いがありました」

リードをさらに広げる区間3位の好走で、襷(たすき)をつなげた山野選手。駒澤大学は箱根駅伝を制覇し、史上5校目となる大学駅伝三冠の偉業を達成。

京子さんはフィニッシュ地点でもチームの優勝を笑顔で見守り、最後の箱根駅伝を最高の結果で終えました。