男子3000m障害の日本記録保持者の三浦龍司選手（順天堂大学4年）が12日、北海道北見市の東陵公園陸上競技場で開催された陸上中長距離のシリーズ戦であるホクレン・ディスタンスチャレンジ2023（以下ホクレンDC）の5000mに出場しました。

■高地合宿を経てレースへ

専門の3000m障害で三浦選手は、6月のダイヤモンドリーグ第4戦パリ大会で自身の持つ日本記録を2年ぶりに0.01秒更新しており、1か月後に迫った世界選手権ブダペスト大会に調子を上げてきています。

今回のホクレンDC北見大会には「前半は集団の流れに乗って、ラスト1000mで2分35秒から2分30秒まで上げる」というテーマを持って挑みました。

レースは小雨が降り続くなか行われたものの、「雨は止みませんでしたが、風はなかったですし、関東に比べれば涼しいので走りやすかった」と三浦選手は振り返ります。

今年のホクレンDCでは、トラックの周囲をライトが点滅しながらペースを刻むペーシングライトシステムが初めて導入され、三浦選手は1周65秒2ペース（フィニッシュタイム13分35秒00）の赤いペーシングライトに合わせて第2集団でレースを進めました。プラン通りに一定のペースを刻んで4000mを10分57秒で通過すると、ここからペースアップ。残り500mでは先頭を単独で走っていたクレオファス・カンディエ選手（三菱重工）を抜いてトップに立ちました。残り1周を切って赤崎暁選手（九電工、拓殖大学OB）に振り切られ2着に終わったものの、三浦選手はラスト1000mを2分33秒までペースアップし、13分31秒31のシーズンベストをマークしました。

4日前まで標高1750mの湯の丸高原（長野）で高地合宿を行っていた影響もあり、「動き出しが鈍かったり、疲労感が少し出た」と話す三浦選手。2着だったことには「勝ちたかった」と悔しさを口にしましたが、「今日のレースでやりたかったことはできた。手応えはまずまず」と好感触を得た様子でした。指導する長門俊介駅伝監督も、「今日はラストの爆発的なキレが出せなかったが、ラスト1000mで余力はありそうでしたし、プラン通りのレースはできた」とレースを振り返っていました。

実は、2021年の東京オリンピックの際にも、ホクレンDC北見大会5000mで13分26秒78の自己ベスト（当時のU20日本歴代2位）をマークし、オリンピックでの好結果につなげています。この時もラスト1000mは今回と同じ2分33秒でした。「2年前の東京オリンピックの時も北見で最終調整をしてレースに臨み、結果が付いてきた。今回もそういうふうになっていったらいいなと思います」と、今夏のブダペストに向けて弾みを付けるレースになりました。