各地で小正月の伝統行事 “春駒” “獅子舞” “太鼓乗り”…無病息災願う 山梨
県内ではこの3連休、各地で小正月の伝統行事が行われ、地域の人々がこの1年の家内安全や無病息災を願いました。
甲州市塩山上於曽の旧高野家住宅・甘草屋敷で11日に行われたのは、400年以上続く一之瀬高橋地区伝統の「春駒」です。
白い馬が邪気を払うという言い伝えから、馬の頭や花笠をまとった「駒」と馬を先導する「露払い」の2人が「駒踊り」を繰り広げます。
訪れた人は
「楽しかった」「初めて見たけど雰囲気とかすごい明るくて、見ていて楽しかったです」「守っていくために一生懸命やっているという気持ちが伝わった」
過疎と高齢化で春駒の伝統は平成に入りいったん途切れましたが、地域を離れた住民の手で復活し、今に伝えられています。
一之瀬高橋の春駒保存会 田辺達男 会長
「やめることは簡単なのですが、保存をしていくことに対して難しい面もありますけど。頑張ってやるしかないということで、みんな頑張ってくれたと思います」
南アルプス市西南湖の安藤家住宅で12日に行われたのは、130年以上の歴史を持つ「西南湖の獅子舞」です。
若者が多かった時代は、獅子舞の練り歩きが日付けが変わる頃まで続いたといいます。
今は後継者もなかなか見つからないといますが、氏子たちは「形を変えても伝統を絶やしたくない」と考えています。
甲州市塩山藤木で12日に行われた「藤木の太鼓乗り」は、300年以上続く道祖神祭りです。
燃え盛るかがり火の下、大太鼓に乗った役者が歌舞伎の名場面が演じました。道祖神と歌舞伎が結びついた全国でも珍しい祭りで、演じる男性は毎年、この日のために稽古に励んでいるといいます。
役を演じた町田桂太郎さん
「小さい子たちもいっぱい見に来てくれたので、そういった子たちに大きくなったら演じたいと思ってもらえるような伝統行事にしていきたい」
時代が変わってもなくなってほしくない、古里の原風景が地域に息づいています。