4月から“通常の3連休”も割引の対象外に… 高速道路の「休日割引」 大型連休に続き3連休も適用除外日に変更へ なぜ「休日割引」は縮小していくのか?

高速道路の休日割引がまたしても縮小されることになりました。お盆や年末年始などの大型連休に加え、通常の3連休も割引の適用除外に。なぜ休日割引は縮小されていくのでしょうか…。
2025年度から3連休も休日割引の適用除外に
NEXCO中日本など有料道路事業者5社は、高速道路で実施している「休日割引」について、2025年度以降は3連休も適用除外とすることを発表しました。
高速道路の休日割引は、ETCを使って土日祝日に地方部の高速道路や本四道路を走る軽自動車や普通車を対象としたもので、割引率は約3割。
対象となる道路は、NEXCO3社の地方部の高速道路および一般有料道路(一部除く)、本四道路(神戸淡路鳴門自動車道、瀬戸中央自動車道、西瀬戸自動車道)、三陸自動車道(仙台松島道路)です。
ETC利用の普通車の場合、東京~名古屋の通常料金は7320円ですが、休日割引が適用されると5400円になります。
休日割引は段階的に縮小されていて、2022年度に「ゴールデンウィーク」「お盆」「年末年始」の大型連休が適用除外となり、2024年度には「シルバーウィーク」も除外されました。
オーバーツーリズム対策で休日割引は縮小傾向
3連休を休日割引の適用除外にする理由としてあげられているのが、「観光需要の平準化」です。
地方の観光を盛り上げるために2008年9月から始まった高速道路の休日割引。開始当初は休日の昼間(午前9時から午後5時)のみが割引対象で、割引率も5割と現在よりも高く設定されていました。
その後、何度か内容が見直され2014年4月から現在の形になっています。
しかし、観光客が集中して地域や環境に悪影響を与える「オーバーツーリズム」が増加したことで、2021年8月に国土交通省の国土幹線道路部会で、休日割引の見直しが提言され、状況が一変。その翌年に大型連休が適用除外になりました。
2023年10月18日には観光立国推進閣僚会議決定で「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージ」がとりまとめられ、割引の適用条件を見直す方針が示されたことで、休日割引縮小の動きがさらに加速しました。
有料道路事業者5社は、大型連休を適用除外にしたことで渋滞量が減少する傾向が見られたため、交通の集中が発生している3連休についても適用除外することを決めたとしています。
今回の発表を受けて、利用者からはSNSなどで厳しい意見もあがっていますが、NEXCO中日本は「周遊パスについて割引率の拡充を実施し、自治体などとの連携を図りつつより魅力的な商品づくりにも取り組んでいます。これらの商品の利用もご検討いただき、高速道路の渋滞対策へのご協力をお願いします」と理解を求めています。