人生会議ポスター中止 契約価格「高い」
お笑いタレントの小籔千豊さんが終末期の患者を演じた厚生労働省のポスターをめぐり、29日も、抗議の声が寄せられた。批判を受け、自治体への発送が中止されたこのポスター。契約価格が、4070万円だったことが分かった。
午後2時すぎ、厚生労働省では、政務官に手渡されたのは、厚労省の啓発ポスターの廃棄などを求める申し入れ書。
お笑いタレントの小籔千豊さんが酸素チューブをつけて横たわる終末期の患者に扮したこのポスター。
「まてまてまて俺の人生ここで終わり?大事なこと何にも伝えてなかったわ」
厚労省が25日に公表すると、患者団体などから抗議や意見が殺到。その翌日には全国の自治体への発送が中止される事態になっていた。
この問題は28日、国会でも取り上げられた。
厚労省医政局・吉田学局長「(吉本興業と)4070万円税込みという価格において、契約が結ばれている事実がございます」
立憲民主党・田島麻衣子議員「4070万円こちらの方でどよめきが少し起こっておりますが、やはり高いですよね」
厚労省は、制作を委託した吉本興業との契約価格が4070万円だったことを明らかに。今後、実際にかかった経費の報告を受け、最終的な支払額が決まるという。そもそも、このポスターにはどんな狙いがあるのだろうか。
「あーあ、もっと早く言うといたらよかった!こうなる前に、みんな『人生会議』しとこ」
「人生会議」とは、人生の最終段階でどのような治療やケアを望むのか、前もって家族や医師などと話し合っておく取り組みのこと。
ポスターでは家族との話し合いが十分でなかったために、自分の思いが伝わっていなかったことを冗談も交じえて描いているが、終末期医療を茶化しているなど抗議の意見が相次いだという。
今回、厚労省に意見書を送ったという胃がんの患者会「希望の会」の轟さんは…。
轟浩美理事長「話すことは大事だけど、話してなかったら大変なことになるとか、不安をあおる内容に思えた。(実際ポスターに)近い状態に向きあっている患者さん・ご家族もいる。悲しみにつながるのではないかと思いました」
厚生労働省は、寄せられた意見をしんしに受け止め、改めて普及・啓発の進め方を検討したいとしている。