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新入社員退職も増加傾向…“2週間で800人以上の依頼”「退職代行」サービスに届く声とは? ミスマッチを作らないためには…

2024年4月19日 6:25
新入社員退職も増加傾向…“2週間で800人以上の依頼”「退職代行」サービスに届く声とは? ミスマッチを作らないためには…

「土曜休日とウソをつかれた」「身体的にも精神的にもしんどい」これは今月入社したばかりの新入社員の声で、退職の意思を本人に代わって会社に伝える「退職代行サービス」に送られてきました。この会社では、すでに新入社員129人の退職手続きを代行したといいます。何が起きているのでしょうか。

就活生や新社会人に「早期の退職はあり? なし?」を聞きました。

就活生(早期退職あり)
「今後、描きたいキャリアと違うと入社後にわかった時、退職を考えるかなと」

――会社を(早期)退職するのは?

就活生(早期退職なし)
「もったいない気もしますけどね。広告がはってあるのいっぱい見るし、社会的に転職とかしやすいイメージはあります」

今年度から新社会人になったという男性は…

新社会人(早期退職あり)
「(今の会社で)長く勤めるつもりはないと思っている。自分のスキルを身につける手段として(今の会社に)いるのかな」

前向きな退職であれば、“常に選択肢として持っておきたい”という声も多く聞かれました。

「news zero」が話を聞いたのは、都内に住む26歳の女性です。以前勤めていた会社を半年ほどで退職した経験があるといいます。

――退職を決めた理由は?

以前の勤務先を半年ほどで退職(26)
「仕事内容はすごく好きだったんですが、部署内の先輩・上司含め合わないなと感じてしまって、表向きはすごく良いんですけど、裏でチャットとかですごい(陰口を)言われていて」

職場環境になじめず、精神的に追い詰められていたという女性。頼ったのが…

以前の勤務先を半年ほどで退職
「自分で退職届を出せないのはわかっていたので、“退職代行”を使って辞めました」

――自分で(退職届を)出してない?

以前の勤務先を半年ほどで退職
「(会社に)連絡してもらうだけ」

退職代行とはどんなサービスなのか?

同様のサービスを提供する企業を取材しました。退職代行とは、退職したい本人に代わって企業に退職の意向を伝えてくれるサービスです。

――依頼はどうやってくる?

「こちらの公式LINEにきます」

――これは全部きょうの依頼?

「さっきからずっと来ている。もう1分間に何名もの方からご依頼が来ている」

届いていたのは、「つらいです、辞めたいです」「パワハラと圧が」といった声でした。

依頼を受けると担当者が――

退職代行「モームリ」 担当者
「『依頼者さま』の退職の件でご連絡をさせていただいたんですけども、退職希望の旨と今後、出勤できない旨。こちらをご本人さまに代わりご連絡をさせていただきました」

新年度に入ってまだ2週間あまり。すでに800人以上の依頼を受けていて、そのうち129人が4月から新社会人となった新入社員だということです。

新入社員
「土曜が休日とウソをつかれた。社会人デビューである自分は非常にショックを受けた」

新入社員
「精神的にきつい状況が続き、眠れない日々が続いた」

新人の退職は、この2年間と比較しても増えているといいます。

アルバトロス 谷本慎二代表取締役
「新入社員の方でいうと、入社前に聞いていた話と入社後の実際の勤務体系が違った。正社員の雇用で入社された方で実際に勤務すると派遣社員だったと」

専門家は、新入社員とのミスマッチを作らないために、企業側が努力をする必要があると話しています。

一橋ビジネススクール 小野浩教授
「終身雇用を求めている人も少なくなってきている。みなさんのライフタイムも多様化しているから、それに合わせた組織作りが必要になってくる。今までは人が組織に適応するのが当たり前だった」

「だけど、今度は組織として多様化している人材にどうやって合わせていくかっていうふうに考えないといけないと思います」

一方、こうした退職代行サービスについて街の人は…

会社員(26)
「時代変わったなと」

会社員(29)
「『辞める』って言うんだったら、お世話になった人もいるし自分で『お世話になりました』と言うべきなのでは」

転職の経験あり 会社員(29)
「でも、会社によっては言いづらい雰囲気があったりするんじゃ? (退職の)引き留めが強くて」

(4月18日放送『news zero』より)

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