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大雨被害から8か月 住民が被災地から離れ地域の在り方かわる 酒田市の自治会

2025年3月24日 9:18
大雨被害から8か月 住民が被災地から離れ地域の在り方かわる 酒田市の自治会

去年7月の記録的大雨から25日で8か月が経過します。大雨によって被災した人たちが住んでいた場所から離れることを余儀なくされ、地域の在り方が変わってしまった地区もあります。酒田市の被災地域のいまを取材しました。

2月28日、去年7月の記録的大雨で大きな被害を受けた酒田市の大沢地区で、市の「被災者生活支援・地域支え合いセンター」が企画したイベント「ふるさとカフェ」が開かれました

参加者「避難所の克雪管理センターへ行ったらすごいのよ。大きい木が流れてくるのを見てびっくりしてしまって」「木もすごいけど大きい石も流れてきてるのが怖いね。」

被災した人たちを支援しようと庄内町から参加したコーヒー専門店のスタッフがドリップしたコーヒーを飲みながら、大沢地区の住民20人余りが被災当時の話や日頃の悩みなどを語り合いました。

LOTUScoffee stand肴倉美由紀さん(43)「あったかいコーヒーでみなさん心も体もほぐされながら本音がいっぱい出せるような会になったらいいなと思って提供した」

大雨被害を受けて酒田市による支援の対象となっているのはおよそ250世帯に上ります。

地域支え合いセンターが戸別訪問や「ふるさとカフェ」などで聞き取った被災者からの相談は、2月末までにのべ588件。このうちおよそ3割にあたる176件が住宅の再建に関するもので、「再建したいが年齢を考えると難しい」、「何から始めればいいか分からない」といった不安の声が多いといいます。

酒田市 矢口明子市長「自ら声を上げられない被災者の方がいることも地域支えあいセンターの訪問などを通じて分かった。必要に応じて専門的な能力を持つ関係者と連携しながら被災者1人1人の課題解消に向け継続的に支援を行っていきたい」

3月16日、酒田市の北青沢地区にある「青沢克雪管理センター」で地区の自治会の総会が開かれました。

このセンターは市の施設で、大雨災害当時は避難所として使われました。

地区外に仮住まいの遠田恵美子さん(67)「最後、最後で何か悲しくてしょうがない・・・」

北青沢地区では当時、大雨による土石流が発生。住宅が全壊するなどの被害を受けて地区を離れた人たちも多くいます。地区の青沢自治会にはこれまで22世帯が参加していましたが、ことし春までに6世帯に減少するということです。
総会が開かれた「青沢克雪管理センター」はこれまで、自治会が管理していました。しかし、自治会の参加世帯が大きく減ったため、これまで通り管理するのは難しいとして、市と結んでいたセンターの管理契約を更新しないことにしました。
市はこの施設を3月末で休館とする方針で、今後は災害発生時の避難所など臨時での使用のみになるということです。

青沢自治会斎藤新一会長「何とかこの6軒で当地区を維持していかなければならない。ここを離れる方々にも様々なご支援をしていただく形になろうかと思います」

総会では、現在の青沢自治会が3月末で終了し、4月からは地区に残る6世帯で新たな自治会をスタートすることが示されました。
共有林などの財産の取り扱いや土砂に埋まったままとなっている地区内の「川上神社」の再建など今後の重要な課題への対応は元の22世帯の会員が連絡を取り合って決めていくことになりました。

新青沢自治会 荒生道博会長「地区住民全員がそろうのはこれで最後かと。それぞれ、街場の方に引っ越したりして大変な状況ではあるが残された中で細々と新しい自治会をやっていきたい」

これまでの地域の形も大きく変えてしまった大雨災害。発生から8か月が経過しますが、被災した住民たちは様々な不安を抱えたままの生活を余儀なくされています。

最終更新日:2025年3月24日 10:22
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