"備蓄米"追加入札、JA福井県が参加へ 飲食業者は価格低下など期待 宮田会長「適正な範囲を上回っている」
政府が行う備蓄米の追加入札を巡り、JA福井県は再び入札に参加する方針を示しました。外食向けに県内産のハナエチゼンなど2000トンの落札を目指すとしていて、県内の飲食業者も備蓄米の供給に期待しています。
コメの値上がりは春の行楽シーズンを前に、飲食業界を直撃しています。
■熟成かつ天膳 天谷健二社長
「我々がお客さんに還元できるように、備蓄米がやってくるのであれば、4~5月の観光とか行楽日和の時においしいコメを安く、たくさん食べもらえる企画をしたい」
熟成とんかつが自慢のこちらの店では、コメが高騰する中、苦渋の決断として、ご飯のおかわり無料のサービスをやめて有料にしました。
■熟成かつ天膳 天谷健二社長
「お客さんは物価高しょうがないよねと言いつつも、低価格であったりコスパがいいものを求められている」
店は県内産のコシヒカリにこだわり、仕入れ価格は最大で7割アップ。安定供給できるコメに切り替えたものの、コストアップが重くのしかかります。
■熟成かつ天膳 天谷健二社長
「季節感・特別感・商品の品質だったり、客の満足度を上げていくしかない。努力、知恵、アイデア、接客といったところで生き残っていくのが一番肝心」
政府が26日に実施する備蓄米の追加の入札は7万トンが対象です。これには、県内産のハナエチゼンやコシヒカリなど、2200トン余りも含まれます。
県JAグループの宮田幸一会長は24日の会見で、県外の卸業者の要望を受け、外食や中食向けに2000トンの落札を目指すとしました。また、初回の入札で落札した県産米2200トン余りは、4月初旬から引き渡しが始まり、県内の店頭には4月中旬にも並ぶ見通しです。
コメの価格について、宮田会長は「適正な範囲を上回っている」としながら、備蓄米が価格の抑制につながるかは不透明としました。
■県JAグループ 宮田幸一会長
「備蓄米を放出した時点で価格が安定してくるだろうと見通しであったが、価格に影響していない。コメが無いんだろうと予想している。備蓄米を放出していくら下がるかというところは何とも言えない状況」
なお、JA全農が消費者の混乱を避けるため、備蓄米と表示しないよう取り引き先に求めているのに対し、JA福井県では卸業者の判断に委ねるとしています。